荒雑録
映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。
ダヴィド・ラーゲルクランツ著 「ミレニアム6 死すべき女(下)」
ダヴィド・ラーゲルクランツ著 ヘレンハルメ美穂/久山葉子翻訳 「ミレニアム 6 死すべき女(下)」 (ハヤカワ・ミステリ文庫/2021年2月初版)を読む。


ロシアにいたカミラはリスベットの命を奪うため、ストックホルムへ赴いた。
リスベットはその動きをつかみ、ストックホルムに戻る。
ミカエルはリスベットの協力を得て、死体で発見された男の身元を解明することに成功した。
さらに彼は、男と国防大臣の周囲で起きた悲劇と奥深い謀略の核心に迫っていく。
だが、ミカエルにカミラの黒い影がしのび寄る。
彼を利用してリスベットをおびき出そうというのだ。
リスベットは即座に行動を起こす。
ミカエルを救い、宿敵カミラと決着をつけ、自らの過去に終止符を打つために。
果たしてカミラとの闘いの行方は?
そして明かされるリスベットの父親ザラチェンコの秘密とは?
意想外の展開で描く驚異の6部作、完結篇!
謝辞:ダヴィド・ラーゲルクランツ
解説:酒井貞道(書評家)
定価(本体880円+税)
【点数】 ★★★★★★★★・・(8/10)
【感想・コメント】
近所のブックオフで見つけたので「全品20%OFF」の日に購入しました。
上巻を読んでから1か月、やっと読み始めました。
下巻もテンポ良く(私がね)進み一気に読了。
う~ん、キレイに収まって
宜しいのではないでしょうか?
6部作の完結!と言うと物足りませんが
新3部作の最終章としては上々の出来だったと思います。
なんせ物語の主題はリスベットの過去との清算。
突如登場した妹との対決がメインなんで。
引っ張ったザラチェンコの秘密は大したことありませんでしたし、殺せないリスベットには都合のいいカミラの最後でしたが、
まぁ、基本的に作者が違うんでダヴィド・ラーゲルクランツの「ミレニアム」として、上手い着地だと思いました。
さて
ラストはとても映画的で、ウケたら次回も有ですよ!の展開だったので
著者or出版社が誰かにバトンを渡そうとしているのかな。
次のシン3部作。
誰が描くのでしょうか?

※そう言えば映画も決着がついていないのですね・・・続編あるのかな?

◆David Lagercrantz 「Hon Som Måste Dö」(2019/SWE)
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ロシアにいたカミラはリスベットの命を奪うため、ストックホルムへ赴いた。
リスベットはその動きをつかみ、ストックホルムに戻る。
ミカエルはリスベットの協力を得て、死体で発見された男の身元を解明することに成功した。
さらに彼は、男と国防大臣の周囲で起きた悲劇と奥深い謀略の核心に迫っていく。
だが、ミカエルにカミラの黒い影がしのび寄る。
彼を利用してリスベットをおびき出そうというのだ。
リスベットは即座に行動を起こす。
ミカエルを救い、宿敵カミラと決着をつけ、自らの過去に終止符を打つために。
果たしてカミラとの闘いの行方は?
そして明かされるリスベットの父親ザラチェンコの秘密とは?
意想外の展開で描く驚異の6部作、完結篇!
謝辞:ダヴィド・ラーゲルクランツ
解説:酒井貞道(書評家)
定価(本体880円+税)
【点数】 ★★★★★★★★・・(8/10)
【感想・コメント】
近所のブックオフで見つけたので「全品20%OFF」の日に購入しました。
上巻を読んでから1か月、やっと読み始めました。
下巻もテンポ良く(私がね)進み一気に読了。
う~ん、キレイに収まって
宜しいのではないでしょうか?
6部作の完結!と言うと物足りませんが
新3部作の最終章としては上々の出来だったと思います。
なんせ物語の主題はリスベットの過去との清算。
突如登場した妹との対決がメインなんで。
引っ張ったザラチェンコの秘密は大したことありませんでしたし、殺せないリスベットには都合のいいカミラの最後でしたが、
まぁ、基本的に作者が違うんでダヴィド・ラーゲルクランツの「ミレニアム」として、上手い着地だと思いました。
さて
ラストはとても映画的で、ウケたら次回も有ですよ!の展開だったので
著者or出版社が誰かにバトンを渡そうとしているのかな。
次のシン3部作。
誰が描くのでしょうか?

※そう言えば映画も決着がついていないのですね・・・続編あるのかな?

◆David Lagercrantz 「Hon Som Måste Dö」(2019/SWE)
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ダヴィド・ラーゲルクランツ著 「ミレニアム6 死すべき女(上)」
ダヴィド・ラーゲルクランツ著 ヘレンハルメ美穂/久山葉子翻訳 「ミレニアム 6 死すべき女(上)」 (ハヤカワ・ミステリ文庫/2021年2月初版)を読む。

ストックホルムの公園で、身元不明の男の死体が発見された。
そのズボンのポケットにはミカエルの電話番号が書かれた紙切れがあった。
法医学者から知らせを受けたとき、ミカエルは聞き流したが、他殺の可能性があると聞いて男の素性を調べ始める。
生前、男は国防大臣について騒いでいたというが……。
そのころリスベットはロシアで双子の妹カミラを追っていた。
今世紀最高のミステリ・シリーズ、ついにクライマックスへ!
訳者あとがき:ヘレンハルメ美穂
定価(本体880円+税)
【点数】 ★★★★★★★・・・(7/10)
【感想・コメント】
上巻を古本屋の110円コーナーで見つけて即購入しました。
で、下巻も探しているのですが・・・まぁ、人気作ですし、シリーズ最終作ですし、2021年文庫化と割と新しいので、そりゃめったにありませんわな。
なので、安価で買うのを諦めて読み始めました。
出だしは上々です。
リスベット側の姉妹対決。
ミカエル側の不審死事件。
それぞれの良いバランスで物語は進み、SNSを介しながらも協力する二人の関係。
そして、やっと二人が邂逅するラスト。
2つの事件がどう絡み、ラストに向かってどう進展するのか?
下巻ですべてが収まるのか心配ではありますが
乞うご期待です。


※最近の本はご親切に上・下巻の登場人物や場所などを記載した小冊子が付いています。
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ストックホルムの公園で、身元不明の男の死体が発見された。
そのズボンのポケットにはミカエルの電話番号が書かれた紙切れがあった。
法医学者から知らせを受けたとき、ミカエルは聞き流したが、他殺の可能性があると聞いて男の素性を調べ始める。
生前、男は国防大臣について騒いでいたというが……。
そのころリスベットはロシアで双子の妹カミラを追っていた。
今世紀最高のミステリ・シリーズ、ついにクライマックスへ!
訳者あとがき:ヘレンハルメ美穂
定価(本体880円+税)
【点数】 ★★★★★★★・・・(7/10)
【感想・コメント】
上巻を古本屋の110円コーナーで見つけて即購入しました。
で、下巻も探しているのですが・・・まぁ、人気作ですし、シリーズ最終作ですし、2021年文庫化と割と新しいので、そりゃめったにありませんわな。
なので、安価で買うのを諦めて読み始めました。
出だしは上々です。
リスベット側の姉妹対決。
ミカエル側の不審死事件。
それぞれの良いバランスで物語は進み、SNSを介しながらも協力する二人の関係。
そして、やっと二人が邂逅するラスト。
2つの事件がどう絡み、ラストに向かってどう進展するのか?
下巻ですべてが収まるのか心配ではありますが
乞うご期待です。


※最近の本はご親切に上・下巻の登場人物や場所などを記載した小冊子が付いています。
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マイ・シューヴァル& ペール・ヴァールー著 「笑う警官」
マイ・シューヴァル& ペール・ヴァールー著 柳沢由実子訳 「刑事マルティン・ベック 笑う警官」(角川文庫/2013年9月第1刷)を読む。

反米デモの夜、ストックホルムの市バスで八人が銃殺された。
大量殺人事件。
被害者の中には、右手に拳銃を握りしめた殺人捜査課の刑事が。
警察本庁殺人捜査課主任捜査官マルティン・ベックは、後輩の死に衝撃を受けた。
若き刑事はなぜバスに乗っていたのか?
デスクに残された写真は何を意味するのか?
唯一の生き証人は、謎の言葉を残し亡くなった。
捜査官による被害者一人一人をめぐる、地道な聞き込み捜査が始まる―。
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞。
警察小説の金字塔、待望の新訳!
なぜマルティン・ベックは笑わない?:オーサ・ラーソン(作家) 訳者あとがき:柳沢由実子 解説:杉江松恋(書評家)
定価:本体819円(税別)
【点数】 ★★★★★★★★・・(8/10)
【感想・コメント】
ミステリファンにはあまりにも有名な警察小説ですが、私は読んだ事はありませんでした。
ですが最近、「ミレニアム」「特捜部Q」と北欧ミステリにハマっているので、本作がスウェーデンの作品と聞き興味が沸き購入。
1968年発刊の「マルティン・ベックシリーズ」の第4作で、日本では1972年に文庫版で発行されています。
今回購入したのは2013年にスウェーデン語からの直訳による新訳版です。
こんなに経って新訳版が出るなんて余程の作品・・・・なのでしょね。
期待して読み始めました。
読んでいる途中で鑑賞したアメリカの映画版が期待以下だったのでちょっと心配していましたが、小説は出だしより引き込まれ、あれよあれよと言う間に終了。
これって
めちゃくちゃ面白いよ!
古典と言うから今となっては古くて驚きはないお話と(多少は)覚悟していましたがそんな事はありませんでした。
確かに、基本は聞き込みばかりで、展開は遅いし盛り上がりにも欠け、真犯人の影が見えないままあと数十ページとなった時にはとても心配になりました。
しかし、この癖のある刑事たちの群像劇と一つずつ事実積み上げる地道な捜査の場面は退屈するどころか前のめりになって読んでいましたね。
当時のスウェーデンの風景と世相風俗が垣間見えるのも興味深い。
また、捜査官それぞれの家族や私生活の描写も良いアクセントになっていました。
映画では全然触れられなかった「笑う警官」の意味も理解できましたし。
最後に笑わない警官である主人公が人知れず無言で拳銃の弾を抜いた場面はシビれましたね。
個人的には(「特捜部Q」ほどではないにしろ)、シリーズの他の作品も読みたいと思った作品です。
これは読んでおいて良かった一冊です。

◆Maj Sjöwall&Per Wahlöö 「Den skrattande polisen」(1968/SWE)
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【以下は趣味です】

反米デモの夜、ストックホルムの市バスで八人が銃殺された。
大量殺人事件。
被害者の中には、右手に拳銃を握りしめた殺人捜査課の刑事が。
警察本庁殺人捜査課主任捜査官マルティン・ベックは、後輩の死に衝撃を受けた。
若き刑事はなぜバスに乗っていたのか?
デスクに残された写真は何を意味するのか?
唯一の生き証人は、謎の言葉を残し亡くなった。
捜査官による被害者一人一人をめぐる、地道な聞き込み捜査が始まる―。
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞。
警察小説の金字塔、待望の新訳!
なぜマルティン・ベックは笑わない?:オーサ・ラーソン(作家) 訳者あとがき:柳沢由実子 解説:杉江松恋(書評家)
定価:本体819円(税別)
【点数】 ★★★★★★★★・・(8/10)
【感想・コメント】
ミステリファンにはあまりにも有名な警察小説ですが、私は読んだ事はありませんでした。
ですが最近、「ミレニアム」「特捜部Q」と北欧ミステリにハマっているので、本作がスウェーデンの作品と聞き興味が沸き購入。
1968年発刊の「マルティン・ベックシリーズ」の第4作で、日本では1972年に文庫版で発行されています。
今回購入したのは2013年にスウェーデン語からの直訳による新訳版です。
こんなに経って新訳版が出るなんて余程の作品・・・・なのでしょね。
期待して読み始めました。
読んでいる途中で鑑賞したアメリカの映画版が期待以下だったのでちょっと心配していましたが、小説は出だしより引き込まれ、あれよあれよと言う間に終了。
これって
めちゃくちゃ面白いよ!
古典と言うから今となっては古くて驚きはないお話と(多少は)覚悟していましたがそんな事はありませんでした。
確かに、基本は聞き込みばかりで、展開は遅いし盛り上がりにも欠け、真犯人の影が見えないままあと数十ページとなった時にはとても心配になりました。
しかし、この癖のある刑事たちの群像劇と一つずつ事実積み上げる地道な捜査の場面は退屈するどころか前のめりになって読んでいましたね。
当時のスウェーデンの風景と世相風俗が垣間見えるのも興味深い。
また、捜査官それぞれの家族や私生活の描写も良いアクセントになっていました。
映画では全然触れられなかった「笑う警官」の意味も理解できましたし。
最後に笑わない警官である主人公が人知れず無言で拳銃の弾を抜いた場面はシビれましたね。
個人的には(「特捜部Q」ほどではないにしろ)、シリーズの他の作品も読みたいと思った作品です。
これは読んでおいて良かった一冊です。

◆Maj Sjöwall&Per Wahlöö 「Den skrattande polisen」(1968/SWE)
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【以下は趣味です】
ピエール・ルメートル著 「監禁面接」
ピエール・ルメートル著 橘明美翻訳 「監禁面接」(文春文庫/2021年1月第1刷)を読む。

【内容紹介等】
リストラで職を追われたアラン、失業4年目、57歳。
再就職のエントリーをくりかえすも年齢がネックとなり、今は倉庫でのバイトで糊口をしのいでいた。
だが遂に朗報が届いた。
一流企業の最終試験に残ったというのだ。
だが最終試験の内容は異様なものだった。
〈就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ――〉
どんづまり人生の一発逆転にかけるアラン。
愛する妻と娘たちのため、知力と根性とプライドをかけた大博打に挑む!
解説:諸田玲子(作家)
定価(本体価格880円+税)
【点数】 ★★★★★★・・・・(6/10)
【感想・コメント】
そろそろ安くなってるんじゃないかな・・・・なんて思いながら古本屋を覗いていたら
ありましたね。
2021年に文庫化された著者の新作。
煽り文では
『その女アレックス』の鬼才ルメートルが放つ徹夜必至、一気読み保証のノンストップ再就職サスペンス。
期待して読み始めました。
が
本作は「そのまえ」「そのとき」「そのあと」の三部構成。
出だしの「そのまえ」はやたらと詳しい描写と複雑な人間関係があるので『その女アレックス』の怒涛の展開を期待した身としては出だしで「ちょっと落ち着けや」と出鼻をくじかれたような気分。
先の展開が読めないのも相まって、面接開始まではちょっと退屈しましたが、やっと面接本番である「そのとき」が始まると、あれよあれよという間に終了で、主人公の逮捕。

「あれ、現場にて一発逆転じゃないのか?」
とこちらも予想が外れ、戸惑っていたら
「そのあと」から主人公と企業の家族とプライドを賭けたコンゲームが始まります。
そう、ここからが本番です。
「そのまえ」「そのとき」の伏線回収で、二転三転と仕掛けられた罠が予想不能にどんどんと明かされるか・・・・
って期待したのですが、
面白かったし、たしかに良作ではありますが
「アレックス」のような残虐場面はないがカタルシスも無し。
巧みなどんでん返しはありますが、読後の爽快感はありません。
う~ん、少々期待し過ぎたかも。

◆Pierre Lemaitre「Cadres noirs 」(2010/FRA)
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【内容紹介等】
リストラで職を追われたアラン、失業4年目、57歳。
再就職のエントリーをくりかえすも年齢がネックとなり、今は倉庫でのバイトで糊口をしのいでいた。
だが遂に朗報が届いた。
一流企業の最終試験に残ったというのだ。
だが最終試験の内容は異様なものだった。
〈就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ――〉
どんづまり人生の一発逆転にかけるアラン。
愛する妻と娘たちのため、知力と根性とプライドをかけた大博打に挑む!
解説:諸田玲子(作家)
定価(本体価格880円+税)
【点数】 ★★★★★★・・・・(6/10)
【感想・コメント】
そろそろ安くなってるんじゃないかな・・・・なんて思いながら古本屋を覗いていたら
ありましたね。
2021年に文庫化された著者の新作。
煽り文では
『その女アレックス』の鬼才ルメートルが放つ徹夜必至、一気読み保証のノンストップ再就職サスペンス。
期待して読み始めました。
が
本作は「そのまえ」「そのとき」「そのあと」の三部構成。
出だしの「そのまえ」はやたらと詳しい描写と複雑な人間関係があるので『その女アレックス』の怒涛の展開を期待した身としては出だしで「ちょっと落ち着けや」と出鼻をくじかれたような気分。
先の展開が読めないのも相まって、面接開始まではちょっと退屈しましたが、やっと面接本番である「そのとき」が始まると、あれよあれよという間に終了で、主人公の逮捕。

「あれ、現場にて一発逆転じゃないのか?」
とこちらも予想が外れ、戸惑っていたら
「そのあと」から主人公と企業の家族とプライドを賭けたコンゲームが始まります。
そう、ここからが本番です。
「そのまえ」「そのとき」の伏線回収で、二転三転と仕掛けられた罠が予想不能にどんどんと明かされるか・・・・
って期待したのですが、
面白かったし、たしかに良作ではありますが
「アレックス」のような残虐場面はないがカタルシスも無し。
巧みなどんでん返しはありますが、読後の爽快感はありません。
う~ん、少々期待し過ぎたかも。

◆Pierre Lemaitre「Cadres noirs 」(2010/FRA)
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ユッシ エーズラ・オールスン著 「特捜部Q - 檻の中の女 - 」
ユッシ エーズラ・オールスン著 吉田奈保子訳 「特捜部Q - 檻の中の女 - 」 (ハヤカワ・ミステリ文庫/2012年10月発行)を読む。

【内容紹介等】
捜査への情熱をすっかり失っていたコペンハーゲン警察のはみ出し刑事カール・マークは新設部署の統率を命じられた。
とはいっても、オフィスは窓もない地下室、部下はシリア系の変人アサドの一人だけだったが。
未解決の重大事件を専門に扱う「特捜部Q」は、こうして誕生した。
まずは自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査に着手したが、次々と驚きの新事実が明らかに!
デンマーク発の警察小説シリーズ第一弾!
解説:池上冬樹(文芸評論家)
定価(本体1000円+税)
【点数】 ★★★★★★★・・・(7/10)
【感想・コメント】
本シリーズの第1作で映画版は2020年に観ております。

正直、映画版の感想は
面白いが今一つ捻りが欲しかったのと、主人公たちバディに魅力を感じなかった
って言っておりました・・・過去の私が。
ですが、今では原作小説にハマっているもので、だったらコッチも小説版を読めば感想も変わるかも
と思い期待して読み始めました・・・全1巻ですが上・下巻ぐらいの厚みがありますが。
うん、やっぱりとても面白いです。
映画の難点である、いろんな理由によって省略された場面。
現在の主人公の複雑な心情や、特捜部設立に至る経緯と駆け引き、相棒との出会い。
複雑な事件の糸口を探る地道な捜査と、主人公が絡んだもう二つの事件の顛末。
犯人を追いつめていく救出のアクション劇。
そこら辺がキチンと描かれています・・・当たり前と言えば当たり前なんですが、それがあってこそ物語の奥行きが増しますし、映画ではそれほど感じなかった主人公たちバディも魅力的に見えてくる。
中盤で犯人の動機が見えて来ますが、そこにたどり着くまでの過程がまた良い。
あえて難を言えば、犯人の動機および方法に納得や同情が出来なかった部分でしょうか。
ラストは・・・不覚にも泣いてしまいましたね。
確かに3作目、4作目を先に読んでしまった私には多少の物足りなさを残すとこではありますが、多分本書を先に読んだのなら、やっぱり面白くて続編を読むでしょうね。
※プジョー607
さて、次は2作目の「キジ殺し」を読んでローセの登場に歓喜するか
5作目の「知りすぎたマルコ」を読むか、
はたまた配役の変わった映画版の「知りすぎたマルコ」を観て文句をたれるか
いずれにしろ先が楽しみな作品であるのは間違いないでしょう。

◆Carl Valdemar Jussi Henry Adler-Olsen 「Kvinden i buret」 (2007/DNK)
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【内容紹介等】
捜査への情熱をすっかり失っていたコペンハーゲン警察のはみ出し刑事カール・マークは新設部署の統率を命じられた。
とはいっても、オフィスは窓もない地下室、部下はシリア系の変人アサドの一人だけだったが。
未解決の重大事件を専門に扱う「特捜部Q」は、こうして誕生した。
まずは自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査に着手したが、次々と驚きの新事実が明らかに!
デンマーク発の警察小説シリーズ第一弾!
解説:池上冬樹(文芸評論家)
定価(本体1000円+税)
【点数】 ★★★★★★★・・・(7/10)
【感想・コメント】
本シリーズの第1作で映画版は2020年に観ております。

正直、映画版の感想は
面白いが今一つ捻りが欲しかったのと、主人公たちバディに魅力を感じなかった
って言っておりました・・・過去の私が。
ですが、今では原作小説にハマっているもので、だったらコッチも小説版を読めば感想も変わるかも
と思い期待して読み始めました・・・全1巻ですが上・下巻ぐらいの厚みがありますが。
うん、やっぱりとても面白いです。
映画の難点である、いろんな理由によって省略された場面。
現在の主人公の複雑な心情や、特捜部設立に至る経緯と駆け引き、相棒との出会い。
複雑な事件の糸口を探る地道な捜査と、主人公が絡んだもう二つの事件の顛末。
犯人を追いつめていく救出のアクション劇。
そこら辺がキチンと描かれています・・・当たり前と言えば当たり前なんですが、それがあってこそ物語の奥行きが増しますし、映画ではそれほど感じなかった主人公たちバディも魅力的に見えてくる。
中盤で犯人の動機が見えて来ますが、そこにたどり着くまでの過程がまた良い。
あえて難を言えば、犯人の動機および方法に納得や同情が出来なかった部分でしょうか。
ラストは・・・不覚にも泣いてしまいましたね。
確かに3作目、4作目を先に読んでしまった私には多少の物足りなさを残すとこではありますが、多分本書を先に読んだのなら、やっぱり面白くて続編を読むでしょうね。

さて、次は2作目の「キジ殺し」を読んでローセの登場に歓喜するか
5作目の「知りすぎたマルコ」を読むか、
はたまた配役の変わった映画版の「知りすぎたマルコ」を観て文句をたれるか
いずれにしろ先が楽しみな作品であるのは間違いないでしょう。

◆Carl Valdemar Jussi Henry Adler-Olsen 「Kvinden i buret」 (2007/DNK)
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ユッシ エーズラ・オールスン著 「特捜部Q―カルテ番号64―(下)」
ユッシ エーズラ・オールスン著 「特捜部Q―カルテ番号64―(下)」(ハヤカワ・ミステリ文庫/2018年8月三刷)を読む。

【内容紹介等】
リタの失踪事件は、ひとりの女性のあまりに悲惨な過去と、過激な思想を掲げる新進政党の暗部へと、Qの捜査を導いてゆく。
いっぽう、特捜部長カールの心を蝕む過去の事件にも新たな展開が。
カールの身辺はにわかに慌ただしくなる。
この事件にただならぬ執念を抱くアサドとローセの奮闘で、真相に肉縛するものの、カールとアサドに最大の危機が迫る!
特捜部Qの個性的な面々に世界中でファン急増中、北欧ミステリの真骨頂。
解説 石井千湖(ライター)
定価(本体780円+税)
【点数】 ★★★★★★★★・(9/10)
やっと下巻を購入し、読み始めましたが
ヤバい!ちょっと忘れている。
ただでさえ外国の小説って名前が憶え辛いのに(ローセとニーデとモーナとテーイ?)
エンジンがかかるまでは一緒に上巻のページをめくりつつ、
そして物語の疾走からの
怒涛の展開と大団円。
とても面白かったです!
いやいや。
映画版は観ていましたが、これは映画とは随分違う作りですね。
たしか映画版では初っ端に“謎の部屋”が出てきて、そこから捜査が始まりますが、小説では“謎の部屋”の登場はクライマックス(しかも、そこでマークが・・・)。
また、そこに繋がる真犯人の女性が映画と小説では別人だってのも驚きました・・・映画は小説の“if(イフ)”になっているのかな。
おまけに事件とは別に語られるマークの私生活と、特捜部Qの三人の人間関係も見どころ。
今回は三人の中に新たな展開とチームワークが生まれました(見つかった時のアサドの台詞にホロっときた)。
ガラスの鍵賞を獲った前作よりも、エンタメミステリとしても、社会派サスペンスとしても、確実に質が上がっている気がします。
読み終わった今はすぐにでも続きが読みたい・・・と思わせる作品。
これは、完全にハマったかも。
とは言え、ケチな私は定価で本を買わない人間なので
つづきはまたお預けにして
先日、古本屋で購入した第1作「特捜部Q―檻の中の女―」を読み始めようと思っております。

たぶん、本作、前作に比べたら物足りないと感じてしまうのかもしれませんが。
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【内容紹介等】
リタの失踪事件は、ひとりの女性のあまりに悲惨な過去と、過激な思想を掲げる新進政党の暗部へと、Qの捜査を導いてゆく。
いっぽう、特捜部長カールの心を蝕む過去の事件にも新たな展開が。
カールの身辺はにわかに慌ただしくなる。
この事件にただならぬ執念を抱くアサドとローセの奮闘で、真相に肉縛するものの、カールとアサドに最大の危機が迫る!
特捜部Qの個性的な面々に世界中でファン急増中、北欧ミステリの真骨頂。
解説 石井千湖(ライター)
定価(本体780円+税)
【点数】 ★★★★★★★★・(9/10)
やっと下巻を購入し、読み始めましたが
ヤバい!ちょっと忘れている。
ただでさえ外国の小説って名前が憶え辛いのに(ローセとニーデとモーナとテーイ?)
エンジンがかかるまでは一緒に上巻のページをめくりつつ、
そして物語の疾走からの
怒涛の展開と大団円。
とても面白かったです!
いやいや。
映画版は観ていましたが、これは映画とは随分違う作りですね。
たしか映画版では初っ端に“謎の部屋”が出てきて、そこから捜査が始まりますが、小説では“謎の部屋”の登場はクライマックス(しかも、そこでマークが・・・)。
また、そこに繋がる真犯人の女性が映画と小説では別人だってのも驚きました・・・映画は小説の“if(イフ)”になっているのかな。
おまけに事件とは別に語られるマークの私生活と、特捜部Qの三人の人間関係も見どころ。
今回は三人の中に新たな展開とチームワークが生まれました(見つかった時のアサドの台詞にホロっときた)。
ガラスの鍵賞を獲った前作よりも、エンタメミステリとしても、社会派サスペンスとしても、確実に質が上がっている気がします。
読み終わった今はすぐにでも続きが読みたい・・・と思わせる作品。
これは、完全にハマったかも。
とは言え、ケチな私は定価で本を買わない人間なので
つづきはまたお預けにして
先日、古本屋で購入した第1作「特捜部Q―檻の中の女―」を読み始めようと思っております。

たぶん、本作、前作に比べたら物足りないと感じてしまうのかもしれませんが。
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ダシール・ハメット著 「フェアウェルの殺人―ハメット短編全集 (1)」
ダシール・ハメット著 稲葉明雄訳 「フェアウェルの殺人―ハメット短編全集 (1)」 (創元推理文庫/1985年11月第15刷)を読む。

ヘミングウェイを初めとする〈失われた世代)〉の作家たちに触発されて、1920年代の推理小説界に忽然と登場したハメットは、俗にハードボイルドといわれる作風を確立して推理小説に革命的な変革をもたらした。
名探偵コンチネンタル・オブの地方での事件を扱った短編を中心に、黒づくめの女、うろつくシャム人、新任保安官、王様稼業等、7編を収録。
【収録作品】
「フェアウェルの殺人」「黒づくめの女」「うろつくシャム人」「新任保安官」「放火罪および・・・・・」「夜の銃声」「王様稼業」
【訳者あとがき】 稲葉明雄
定価480円
★★★★★★★★・・(8/10)

ヘミングウェイを初めとする〈失われた世代)〉の作家たちに触発されて、1920年代の推理小説界に忽然と登場したハメットは、俗にハードボイルドといわれる作風を確立して推理小説に革命的な変革をもたらした。
名探偵コンチネンタル・オブの地方での事件を扱った短編を中心に、黒づくめの女、うろつくシャム人、新任保安官、王様稼業等、7編を収録。
【収録作品】
「フェアウェルの殺人」「黒づくめの女」「うろつくシャム人」「新任保安官」「放火罪および・・・・・」「夜の銃声」「王様稼業」
【訳者あとがき】 稲葉明雄
定価480円
★★★★★★★★・・(8/10)
ロバート・B・パーカー著 「盗まれた貴婦人 」 S-38
ロバート・B・パーカー著 加賀山卓朗訳 「盗まれた貴婦人:Painted Ladies」(早川書店/2010年11月初版発行/定価)を読む。

◆Robert Brown Parker 「Painted Ladies」 (2010/USA)
17世紀の名画『貴婦人と小鳥』が美術館から盗まれ、身代金が要求される。
事件を内密に処理したい美術館側の意向を受けた美術史教授のプリンスが受け渡しに赴く。
依頼を受けたスペンサーは護衛として彼に同行した。
だが受け渡しは失敗、プリンスはスペンサーの眼前で命を落としてしまう。
誇りをかけ、無償での調査を開始するスペンサー。
だが事件の鍵は名画の来歴に潜む闇の奥に存在した。
サスペンスフルに展開する注目作
【併載】 訳者あとがき:加賀山卓朗
★★★★★★★★・・(8/10)


◆Robert Brown Parker 「Painted Ladies」 (2010/USA)
17世紀の名画『貴婦人と小鳥』が美術館から盗まれ、身代金が要求される。
事件を内密に処理したい美術館側の意向を受けた美術史教授のプリンスが受け渡しに赴く。
依頼を受けたスペンサーは護衛として彼に同行した。
だが受け渡しは失敗、プリンスはスペンサーの眼前で命を落としてしまう。
誇りをかけ、無償での調査を開始するスペンサー。
だが事件の鍵は名画の来歴に潜む闇の奥に存在した。
サスペンスフルに展開する注目作
【併載】 訳者あとがき:加賀山卓朗
★★★★★★★★・・(8/10)
ユッシ エーズラ・オールスン著 「特捜部Q ―カルテ番号64― (上)」
ユッシ エーズラ・オールスン著 吉田薫訳 「特捜部Q -カルテ番号64- (上)」 (ハヤカワ・ミステリ文庫/2016年9月2刷)を読む。

◆Carl Valdemar Jussi Henry Adler-Olsen 「Journal 64」 (2010/DNK)
未解決の難事件を次々と解決する特捜部Q。
今回特捜部の紅一点ローセが掘り起こしてきたのは、20年以上前にエスコート・クラブの経営者リタが忽然と姿を消したという奇妙な事件。
しかもリタとほぼ同時に失踪した者が、他にも複数いることがわかり……
デンマークの代表的文学賞「金の月桂樹」賞を受賞、ますます波に乗る大人気警察小説シリーズ第4弾!
定価(本体780円+税)
★★★★★★★★・・(8/10)


◆Carl Valdemar Jussi Henry Adler-Olsen 「Journal 64」 (2010/DNK)
未解決の難事件を次々と解決する特捜部Q。
今回特捜部の紅一点ローセが掘り起こしてきたのは、20年以上前にエスコート・クラブの経営者リタが忽然と姿を消したという奇妙な事件。
しかもリタとほぼ同時に失踪した者が、他にも複数いることがわかり……
デンマークの代表的文学賞「金の月桂樹」賞を受賞、ますます波に乗る大人気警察小説シリーズ第4弾!
定価(本体780円+税)
★★★★★★★★・・(8/10)