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マイ・シューヴァル& ペール・ヴァールー著  「笑う警官」

マイ・シューヴァル& ペール・ヴァールー著 柳沢由実子訳 「刑事マルティン・ベック 笑う警官」(角川文庫/2013年9月第1刷)を読む。

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反米デモの夜、ストックホルムの市バスで八人が銃殺された。
大量殺人事件。
被害者の中には、右手に拳銃を握りしめた殺人捜査課の刑事が。
警察本庁殺人捜査課主任捜査官マルティン・ベックは、後輩の死に衝撃を受けた。
若き刑事はなぜバスに乗っていたのか?
デスクに残された写真は何を意味するのか?
唯一の生き証人は、謎の言葉を残し亡くなった。
捜査官による被害者一人一人をめぐる、地道な聞き込み捜査が始まる―。
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞。
警察小説の金字塔、待望の新訳!

なぜマルティン・ベックは笑わない?:オーサ・ラーソン(作家) 訳者あとがき:柳沢由実子 解説:杉江松恋(書評家)
定価:本体819円(税別)


【点数】 ★★★★★★★★・・(8/10)

【感想・コメント】

ミステリファンにはあまりにも有名な警察小説ですが、私は読んだ事はありませんでした。

ですが最近、「ミレニアム」「特捜部Q」と北欧ミステリにハマっているので、本作がスウェーデンの作品と聞き興味が沸き購入。

1968年発刊の「マルティン・ベックシリーズ」の第4作で、日本では1972年に文庫版で発行されています。

今回購入したのは2013年にスウェーデン語からの直訳による新訳版です。

こんなに経って新訳版が出るなんて余程の作品・・・・なのでしょね。

期待して読み始めました。

読んでいる途中で鑑賞したアメリカの映画版が期待以下だったのでちょっと心配していましたが、小説は出だしより引き込まれ、あれよあれよと言う間に終了。

これって

めちゃくちゃ面白いよ!

古典と言うから今となっては古くて驚きはないお話と(多少は)覚悟していましたがそんな事はありませんでした。

確かに、基本は聞き込みばかりで、展開は遅いし盛り上がりにも欠け、真犯人の影が見えないままあと数十ページとなった時にはとても心配になりました。

しかし、この癖のある刑事たちの群像劇と一つずつ事実積み上げる地道な捜査の場面は退屈するどころか前のめりになって読んでいましたね。

当時のスウェーデンの風景と世相風俗が垣間見えるのも興味深い。

また、捜査官それぞれの家族や私生活の描写も良いアクセントになっていました。

映画では全然触れられなかった「笑う警官」の意味も理解できましたし。

最後に笑わない警官である主人公が人知れず無言で拳銃の弾を抜いた場面はシビれましたね。

個人的には(「特捜部Q」ほどではないにしろ)、シリーズの他の作品も読みたいと思った作品です。

これは読んでおいて良かった一冊です。

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◆Maj Sjöwall&Per Wahlöö 「Den skrattande polisen」(1968/SWE)

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