荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

吉田修一著 「悪人(上・下)」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

吉田修一著 「悪人」(朝日新聞出版/朝日文庫/2009年刊)を読む。

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福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、携帯サイトで知り合った金髪の土木作業員に殺害された。

二人が本当に会いたかった相手は誰だったのか?

佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、出会い系サイトへアクセスする。

そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。

彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。

光代を駆り立てるものは何か?

その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。

誰がいったい悪人なのか?

事件の果てに明かされる殺意の奥にあるものは?

毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の最高傑作、待望の文庫化。


★★★★★★・・・・

映画は既に鑑賞済みだが、著者の作品を読むのは初めて。

映画を観てから小説を読むと大概は小説の方が面白く感じるものだが、本作に限っては逆であった。

映画は本作を忠実に、そして上手くアレンジして作られたのだと妙に納得。

ただ、映画の時に感じた物足りなさや、作り手の意図がイマイチ解からなかったのは本作も同じだった。

物語の構成、登場人物の背景や心理描写などは巧みであり、読む側を引っ張って行く力やテンポは有るので上下巻は一気に読めてしまう。

しかし、どうも物足りない。

カタルシスとは言わないが全体を通して読む側にインパクトを与える何かが足りない気がする。

本作に「悪人」とのタイトルを与えたのならば「悪人」に呈しての著者の言葉を聞きたかった。

私の場合、食い入るように読む小説と言うのはやはりどこかに感情移入が出来る作品で、本作に限って言えば登場人物の誰にも共感が出来なかったし、作者が作品を通して語りたかった事も漠然として解からない。

これがサスペンスを主としたミステリー作品ならそうは考えないし、犯罪者との逃避行を描いた恋愛小説なら話は別だ。

主人公がこうして、こうして、こうなった

と言う事実をリアルに詳細に描いているだけの気がして・・・・「だからどうなの?」と最後に言ってしまいたくなるのは私だけだろうか?

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