荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

杉田成道監督 「最後の忠臣蔵」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

録画した映画「最後の忠臣蔵」を観る。

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赤穂浪士の討ち入りから16年。

すでに、とうに終わった事件と思われていたが、四十七士の中にあってただ一人、切腹することなく生き延びた男がいた。

その男、寺坂吉右衛門は、大石内蔵助より生き証人として討ち入りの真実を後世に伝え、浪士の遺族を援助せよとの使命を受けていたのだ。

遺族を捜して全国を渡り歩き、ついにその旅も終わりを迎えようとしていた。

そんな時、彼は討ち入りの前夜に突如逃亡したかつての友、瀬尾孫左衛門と出会う。

固い絆で結ばれていた2人は、主君内蔵助のために命を捧げようと誓い合ったはずだった。

そんな吉右衛門の非難にも決して真相を語ろうとしない孫左衛門。

しかし彼にもまた、裏切り者の汚名に耐えてでも生き延びなければならないある使命があった。

それは、内蔵助の隠し子、可音を密かに育て上げるというものだった。

その可音にも晴れて縁談話が持ち上がり、孫左衛門の使命もいよいよ終わりを迎えようとしていたが…。


★★★★★・・・・・

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原作は 「四十七人の刺客」の池宮彰一郎が忠臣蔵の後日譚を描いた同名小説で連作4編。

「忠臣蔵」をまったく新しい視点で描いた 「四十七人の刺客」と共に大好きな小説であった。

しかし随分以前に読んだので・・・内容はうろ覚え。

だから本作も原作と比べる事は出来ないが、なんとなく短編を映画にしたあの冗長さを感じてしまうのは私だけだろうか?

基本のストーリーはベタである。

多分、初めて観る人も忠臣蔵を知っているのなら大体物語の流れは想像が付く。

謎の部分は全く無く、主人公が最後にとる行動も想定内で、観る側はそれがどう進むのか眺めているだけになってしまう。

そう言う物語なのだから仕方がないのは確かだが、小説をそのまま映像化しないのであれば、そこら辺は視覚的に一工夫が欲しい所。

確かに映像的に美しい風景やじっくりと心情を描く場面などは挟まれてはいるものの、ハリウッド映画に慣れた私たちにはこのチャンバラシーンもほとんど無い淡々とした物語に中弛みするのは使用が無いだろう。

嫁入りシーンまでは正直飽きていた。

そしてラストも予想が付くし、分かっている。

しかし・・・

分かっていても泣けてしまうのは、これはもう「日本人だから」としか言うしか無い。

完全なる主従関係や武士としての誇りと耐え忍ぶ心。

生き残る事を恥とする、善悪を超えた腹切りの思想は今もなお日本人の心に沁みるのだ。

忠義を全うする主人公に安田成美とのカラミもいらない。

残された佐藤浩市演じる寺坂吉右衛門がこの後どう生きるかが疑問である。

何だかんだ言いながらも最後にはハマってしまった本作。

もっと全体を絞ったら私好みの作品になったのに・・・残念だ。

◆「最後の忠臣蔵」 2010年/日本 【133分】
監督:杉田成道 脚本:田中陽造 原作:池宮彰一郎 音楽:加古隆 出演:役所広司/佐藤浩市/桜庭ななみ/山本耕史/風吹ジュン/田中邦衛/伊武雅刀/片岡仁左衛門/柴俊夫/安田成美 

※これから本作を観る人はその前に映画版の「四十七人の刺客」を観るのも一興。
本作に繋がる件がチラリと出て来るので・・・もちろん役者は違うけど。

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