荒雑録

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福田和代著 「TOKYO BLACKOUT」

福田和代著 「TOKYO BLACKOUT」(創元推理文庫/2011年刊)を読む。

TOKYO BLACKOUT (創元推理文庫)TOKYO BLACKOUT (創元推理文庫)
(2011/08/11)
福田 和代

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8月24日午後4時、東都電力熊谷支社の鉄塔保守要員一名殺害。

午後7時、信濃幹線の鉄塔爆破。

午後9時、東北連系線の鉄塔にヘリが衝突、倒壊。

さらに鹿島火力発電所・新佐原間の鉄塔倒壊―しかしこれは、真夏の東京が遭遇した悪夢の、まだ序章に過ぎなかった。

最後の希望が砕かれたとき、未曾有の大停電が首都を襲う!

目的達成のため暗躍する犯人たち、そして深刻なトラブルに必死に立ち向かう市井の人々の姿を鮮やかに描破した渾身の雄編。

大型新人が満を持して放つ超弩級のクライシス・ノヴェル。


★★★★★★★・・・


私の中の “読んだ事の無い作家の作品を読もうキャンペーン”第4弾。

とは言え、やっぱり創元推理文庫をチョイスしてしまうのが、私の気の弱いトコ・・・大失敗するのが怖いんだよね。

失礼ながら私は全然知らない作者なのでそれほど期待はしていませんでしたが

とても面白かったです!

東京の電力不足。

タイムリーな話題です。

この小説が発表された2008年では聞いた事のない言葉であったろう“輪番停電”は、今では誰もが知っている“計画停電”の事。

前半、爆破テロによる停電~電力復旧に至るプロセスが実に綿密に描かれています。

多分作者が綿密な調査に裏付けただろう東都電力もとい東京電力のディテールは物語に説得力を持たせ、電力の安全供給を前提にした日本の首都の脆弱性を浮き彫りにします。

またバニック物には必須の“色々な立場の登場人物たちのそれぞれの事情”に、海外労働者や幼児虐待の社会問題もさりげなく盛り込んでいるのも評価したい所です。

何人もの視点から描かれる緊張感あふれたストーリーに一気に引き込まれました。

文章は読みやすく、テンポも良いのであっという間に読了。

最後はちょっと感動いたしました。

ただ

思うのは物語全体のバランスの悪さです。

停電のリアルさと、犯罪のリアリティの無さ。

著者がキッチリと調査した部分とフィクション部分の描写の落差。

スピーディな展開や感度的な場面に隠れてはいるものの、結構アラのあるストーリーだっただったと思います。

そのためでしょうか、物語が前半に比べ後半はやや尻つぼみな印象を受けるのは。

ともあれ、これだけ楽しめれば十分に元は取れる小説です。

人にも薦めたいし、著者の他の作品も読んでみたいと思いました。

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テーマ : 推理小説・ミステリー  ジャンル : 本・雑誌

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