荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

戸田幸宏監督 「暗闇から手をのばせ」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013会場にて映画「暗闇から手をのばせ」を観る。

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沙織は障害者専門のデリヘル嬢。

軽い動機でこの業界に飛び込んだ彼女は、出勤初日からショックを受ける。

全身タトゥーの入った進行性筋ジストロフィー患者、自らの障害をネタに本番行為を要求する常連客、そしてバイク事故で自由を奪われ、殻に閉じこもる青年……。

しかし、“それでも生きていく”ことを選んだ彼らに接するうち、沙織の中の何かが音を立てて崩れ去っていく。

「もう逃げたりしない」そう決意した沙織を待ち受けるものとは……。


★★★★★★★・・・

昔、NHKで「男たちの旅路」と言うドラマがあり、その中に「車輪の一歩」と言うお話がありました。

身体障害者で車椅子の若者が母親に「トルコ(現ソープランド)に行きたい」と言い、その想いを理解した母親が笑顔で息子を送り出すが、車椅子であるためにどこの店でも断られ、家に帰って母親に「良かったよ」と泣きながら嘘をつく場面がありました。

当時中学生だった私は、ドラマのシーンには心打たれながらも、思いもよらなかった「障害者の性」に対する戸惑いがあり、色々と考えさせられたとても印象に残ったドラマでした。

そんなNHKも「障害者の性」問題を扱ったドキュメンタリー番組を監督が企画した時には許可しなかったそうです。

怒った監督は自費で本作を5日間で撮ったと言います。

今なお残る「障害者は哀れむべき存在で性の事など考えない」と言う“障害者の性”をタブーとする日本の風習にあえて斬り込んだ本作は、今回の夕張映画祭の出品作の中で一番“観たかった”作品でした。

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とても面白かったです。

監督自身も「重いテーマを泣き笑いで見せたい」とおっしゃる通り、軽快で「続きが観たい」と思わせる作品でした。

私が本作の一番良いと思った所はそのバランスです。

深刻な場面と笑える場面、訴える部分とちゃかす部分、爆発は無く静香だけれどインパクトのあるストーリー展開、エロになり過ぎないベッドシーンやラストの微妙な爽快感など・・・

どこかに偏る事が無いのに、一本調子にならない、そのバランスの良い造り。

ドキュメンタリーを撮って来た監督の本領でしょうか。

68分と言う短い時間も丁度良かったです。

今回、第23回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭での一番の収穫は本作でした。

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※主演の小泉麻耶も良かったです。

失礼ながら・・・・美人過ぎないで、イイ体した、ちょっとバカっぽい女・・・リアルにそう見えました。

観客は軽い気持ちで風俗の仕事をする主人公に出だしは嫌な印象を持ちますが、映画を観終わる頃にはこの優しいバカ女が大好きになる事請け合いです。

◆「暗闇から手をのばせ」 2013年/日本 【68分】
監督:戸田幸宏 撮影:はやしまこと 出演:小泉麻耶/津田寛治/森山晶之/菅勇毅/モロ師岡

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