荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

恩田陸著 「まひるの月を追いかけて」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

恩田陸著「まひるの月を追いかけて」(文春文庫/2007年刊)を読む。

まひるの月を追いかけて (文春文庫)まひるの月を追いかけて (文春文庫)
(2007/05)
恩田 陸

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異母兄が奈良で消息を絶った。

たったの二度しか会ったことがない兄の彼女に誘われて、私は研吾を捜す旅に出る。

早春の橿原神宮、藤原京跡、今井、明日香…。

旅が進むにつれ、次々と明らかになる事実。

それは真実なのか嘘なのか。

旅と物語の行き着く先は―。

恩田ワールド全開のミステリーロードノベル。


★★★★★★・・・・

(異母)兄の失踪を聞いた主人公の女性が、兄の恋人ともに京都を旅しながら彼を探す物語・・・・

と思ったら、彼女は別人で、本当の兄の恋人は自殺していた事実が発覚。

彼女は何者で、本当に兄は失踪したのか?

と言う前半で、二転三転するサスペンス要素は読む側を惹きつけますが、犯罪物ではないので緊迫感は薄いです。

全体を通しての”謎“は提示されますが、もともとミステリとして描かれた物語では無い様なので、それは使用が無い事でしょう。

抒情的に語られる奈良の観光地の雰囲気を楽しむ事が出来れば、この淡々と進む物語にものめり込めるのでしょうね。

私は駄目でした。

情景や心情の描写に巧さは感じるものの、登場人物たちや場所にもそれほど魅力を感じられませんでした。

差し込まれて寓話がクッションとなり独特の幻想的な雰囲気は醸し出していましたが、どこかハッキリとしないもどかしさが残りました。

たしか主人公たちは30代だったと記憶していますが、読んでいる内に「こいつら、いったい幾つだ?」と思ってしまうほど感傷的な場面もチラホラと(特にラストの想い人なんかも)。

テンポは良いのでサクサクと最後まで読む事が出来ましたが、感覚的なこの世界観にどっぷりと浸からなければ楽しめない作品だと思います。

著者の作品は何作か読んでいますが、読むたびにまるっきり違う印象を与えてくれる作家です。

当たり外れと言うよりは、その作品が好きか嫌いか。

今のところ著者の作品で私が一番好きなのは「puzzle パズル」です。



puzzle (祥伝社文庫)puzzle (祥伝社文庫)
(2000/10)
恩田 陸

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