荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

東直己著 「名もなき旅」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

東直己著「名もなき旅」(角川春樹事務所/ハルキ文庫/2008年刊)を読む。

名もなき旅 (ハルキ文庫)名もなき旅 (ハルキ文庫)
(2008/05/15)
東 直己

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札幌に身を寄せる19歳の少年“ユビ”。

怪しげな会社を営む折井という男に拾われた“ユビ”は、彼によって自らも気づかなかった“チカラ”を知ることになる。

その“チカラ”を使い、折井の仕事を手伝う彼は、ある日、大企業の女性社長を一週間、旅に連れ出すという奇妙な依頼を受けることになるが…。

様々な人の思惑と過去が交錯するなか、旅の終わりには何が待っているのか?

傑作長篇小説。


★★★★★★★★・・

古本屋で見つけ、見た事の無いタイトルに「あれ、コレ読んだっけ?」と裏表紙を覗いたら、
「なんだ『スタンレーの犬』の改題かよ・・・あれ、俺『スタンレーの犬』って読んだっけ?」となりまして
・・・結局は不覚にも読んでいませんでした。

で、読みました。

・・・もしかしたら、これは傑作かも。

著者の作品は大好きなのでかなり贔屓目ですが。

本作はタイトルの示す通りロードムービーの形態はとっていますが、正直ジャンル分け不能で、読む人によって見方が変わる物語だと思います。

裏表紙に書かれている内様文の“チカラ”と言う言葉から“超能力モノ”を想像していましたし、実際にそれは出て来るのですが、そこが中心ではありません。

話しの基本軸はあるのですが、そこに主人公の過去や会話など何層ものエピソードが織り込まれ、それらが混ざり合って一風変わった雰囲気を醸し出す作品です。

私の言いたい事の大半は巻末の解説で大森望さんが書いているので多くは語りませんが、何よりも主人公達が語る会話が面白く、切なく、心に残ります。

北海道開拓団の話し、臓器移植の私観、不味い中華丼、「ブレードランナー」と「セイント・オブ・ア・ウーマン」、田舎の人が何度も同じ事を繰り返して話す話し、そしてスタンレーの犬。

これらを読むだけでも価値のある一冊です。

20140122-111

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