荒雑録
映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。
篠田正浩監督 「写楽 Sharaku (1995)」
録画した映画「写楽」を観る。
若き芸術家たちの恋、野心、そして情熱・・・
18世紀、江戸の人口は百万を数え、それまで京都・大阪中心の政治経済が江戸へ移行し、文化面でも独創性を発揮しはじめていた。
この時代、北斎、一九、馬琴ら若き芸術家が、江戸の名プロデューサーと謳われた版元、蔦屋重三郎のまわりにいた。
その一人歌麿は蔦重の手腕により、天才絵師といわれるまでに育っていた。
しかしその頃、江戸庶民文化の興隆に危機感を抱いた老中、松平定信は厳しい弾圧を加えようとしていた。
蔦重がその標的となりつつあることを察した歌麿は、言い寄ってきた別の版元へ鞍替えしてしまう。
歌麿を失った痛手は蔦重にとって大きかった。
歌麿の寝返りを苦々しく思いながらも蔦重は次なる絵師の掘り起こしに躍起になっていたが、万策が尽きてしまう・・・。
江戸のミステリー、東洲斎写楽現わる
寛政6年5月、蔦重の店で、“東洲斎写楽”を名乗る絵師の奇妙な画風の役者絵が、突然売りに出され町の話題をさらっていた。
一方、吉原でもこれまで名の知れなかった絵師の浮世絵が、高価な黒雲母摺り(くらきらずり)で何十枚も売り出されたという噂で持ち切りだった。
歌麿の最大にして最強のライバル写楽
歌麿の豪華絢爛な浮世絵に対抗するかのごとく出現した写楽
★★★★★・・・・・(5/10)
最後まで退屈せず鑑賞出来たのは、ひとえに私の「写楽」への関心の深さからです。
一本の映画作品としては
豪華キャストにありがちな、登場人物が多くて、ストーリーの焦点がぼやけた、何とも残念な作品です。
江戸の風俗を丁寧に撮っている魅力はあるのですが、豪華で個性的な脇役陣が全体的にとっ散らかった印象を与えます。
流石のフランキー堺はその存在感をいかんなく発揮していましたが、主役である真田広之はその人物設定も含め、どこか霞んで見えました(今観ると葉月里緒奈は“ただ居るだけ”ですね)。
フランキー堺の長年に渡る写楽への思い入れや情熱は判るのですが、脚本をもっと練ってスッキリさせた方が・・・個人的には蔦屋重三郎中心とした視点で物語を進めれば、逆に魅力的な写楽像が浮かび上がって来たのではないかと思ってしまいました。
何よりも期待した写楽の正体が無名の男であったのが物足りないってのもあるのですが。
◆「写楽」 1995年/日本 【138分】
監督:篠田正浩 企画総指揮:フランキー堺 原作・脚本:皆川博子 脚色:堺正俊/片倉美登/篠田正浩 撮影:鈴木達夫 出演:真田広之/フランキー堺/片岡鶴太郎/佐野史郎/葉月里緒奈/永澤俊矢/中村富十郎/中村芝雀/市川團蔵/六平直政/坂東八十助/岩下志麻
・1995年日本アカデミー賞音楽賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞、特別賞受賞。
・1995年ブルーリボン賞主演男優賞受賞(真田広之)
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若き芸術家たちの恋、野心、そして情熱・・・
18世紀、江戸の人口は百万を数え、それまで京都・大阪中心の政治経済が江戸へ移行し、文化面でも独創性を発揮しはじめていた。
この時代、北斎、一九、馬琴ら若き芸術家が、江戸の名プロデューサーと謳われた版元、蔦屋重三郎のまわりにいた。
その一人歌麿は蔦重の手腕により、天才絵師といわれるまでに育っていた。
しかしその頃、江戸庶民文化の興隆に危機感を抱いた老中、松平定信は厳しい弾圧を加えようとしていた。
蔦重がその標的となりつつあることを察した歌麿は、言い寄ってきた別の版元へ鞍替えしてしまう。
歌麿を失った痛手は蔦重にとって大きかった。
歌麿の寝返りを苦々しく思いながらも蔦重は次なる絵師の掘り起こしに躍起になっていたが、万策が尽きてしまう・・・。
江戸のミステリー、東洲斎写楽現わる
寛政6年5月、蔦重の店で、“東洲斎写楽”を名乗る絵師の奇妙な画風の役者絵が、突然売りに出され町の話題をさらっていた。
一方、吉原でもこれまで名の知れなかった絵師の浮世絵が、高価な黒雲母摺り(くらきらずり)で何十枚も売り出されたという噂で持ち切りだった。
歌麿の最大にして最強のライバル写楽
歌麿の豪華絢爛な浮世絵に対抗するかのごとく出現した写楽
★★★★★・・・・・(5/10)
最後まで退屈せず鑑賞出来たのは、ひとえに私の「写楽」への関心の深さからです。
一本の映画作品としては
豪華キャストにありがちな、登場人物が多くて、ストーリーの焦点がぼやけた、何とも残念な作品です。
江戸の風俗を丁寧に撮っている魅力はあるのですが、豪華で個性的な脇役陣が全体的にとっ散らかった印象を与えます。
流石のフランキー堺はその存在感をいかんなく発揮していましたが、主役である真田広之はその人物設定も含め、どこか霞んで見えました(今観ると葉月里緒奈は“ただ居るだけ”ですね)。
フランキー堺の長年に渡る写楽への思い入れや情熱は判るのですが、脚本をもっと練ってスッキリさせた方が・・・個人的には蔦屋重三郎中心とした視点で物語を進めれば、逆に魅力的な写楽像が浮かび上がって来たのではないかと思ってしまいました。
何よりも期待した写楽の正体が無名の男であったのが物足りないってのもあるのですが。
◆「写楽」 1995年/日本 【138分】
監督:篠田正浩 企画総指揮:フランキー堺 原作・脚本:皆川博子 脚色:堺正俊/片倉美登/篠田正浩 撮影:鈴木達夫 出演:真田広之/フランキー堺/片岡鶴太郎/佐野史郎/葉月里緒奈/永澤俊矢/中村富十郎/中村芝雀/市川團蔵/六平直政/坂東八十助/岩下志麻
・1995年日本アカデミー賞音楽賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞、特別賞受賞。
・1995年ブルーリボン賞主演男優賞受賞(真田広之)
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