荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

北村薫著 「鷺と雪」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

北村薫著「鷺と雪」(文春文庫/2011年刊)を読む。

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昭和十一年二月、運命の偶然が導く切なくて劇的な物語の幕切れ「鷺と雪」ほか、華族主人の失踪の謎を解く「不在の父」、補導され口をつぐむ良家の少年は夜中の上野で何をしたのかを探る「獅子と地下鉄」の三篇を収録した、昭和初期の上流階級を描くミステリ“ベッキーさん”シリーズ最終巻。

第141回直木賞受賞作。


★★★★★★★・・・(7/10) 

「街の灯」「玻璃の天」に続く、昭和初期を舞台とした、華族のお嬢様・英子とその運転手・ベッキーさんが主人公のミステリー・シリーズ第三弾で最終巻。

著者お得意の「日常の謎」をきめ細やかな筆致で記した連作短編集です。

ですが、ミステリと言うよりも、時代背景や風景描写、ヒロインの日常と成長、そんな世界を楽しむ作品です。

ガッツリとした謎解きミステリを期待する人には向かないかもしれません・・・私も含め。

本作は前2作より伏線を張って来た歴史的事件を最後の謎解きとして物語を終了していますが、多少歴史の知識がある人間なら容易に想像できます。

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したがって、こちらの期待は謎解きでは無く、どのようにしてこのお嬢様の物語を終了させるか?でした。

結果

衝撃的ですが、切なくも優しい終わり方でした。

胸にしみる著者らしいラストだと思います。



私的には物足りないのも事実です。

この後、ヒロインたちは激動の時代に飲みこまれて行くのでしょう。

私はそれを読みたいとは思いませんが、そこに向かって行きながらも、

明日への希望を、未来への期待を、最後にヒロインの口から聞きたかったです。

・・・ですが、そんな事を思いながらも

受賞作だから、読者の要望だからと言って

本作の続編などは絶対に書かないで欲しいと思っている私もいます。

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