荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

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馳星周著 「煉獄の使徒(上)」

馳星周著「煉獄の使徒(上)」(新潮文庫/2011年刊)を読む。

20160427-012

“カリスマ教祖”十文字源皇率いる、“真言の法”。

弁護士・幸田は侍従長の高位にあり、外界との交渉を担っている。

組織に罪を背負わされ失脚した児玉警部補は、この新興教団に目をつけた。

ここは金のなる木だ、と。

両者の間に奇怪な盟約が結ばれる。

教祖が敵対する弁護士の殺害を命じたとき、黙示録の扉は静かに開かれた―。

欲望と狂気に憑かれた男たちを描き切る、群像サスペンス。


★★★★★★★・・・(7/10)  


いつものごとく、人間が堕ちていく様を描かせたら天下一品で、それぞれの登場人物が狂気なまでに金に群がり疾走する様に頁をめくる手が止まりません。

ですが予想外だったのは

架空のカルト教団のお話しでは無く、まるっきりあの教団がモデルなのですね。

20141029-001

たしかに主人公たちは架空の人物でしょうが、それ以外、特に教団の動き、上巻では弁護士一家殺害や選挙出馬などはそっくりそのままです・・・カニ食ってるし。

たしかにあれだけの事を仕出かしながらも、すぐに逮捕には至らなかったのは、警察内部の癒着が絡んでいた、と言われても不思議ではありません。

登場人物たちはかなりカリカチュアされていますが、実際の事件を下敷きにしているため荒唐無稽に感じないのも強みです。

ただ、元ネタがあるだけに、先の展開がちょっと想像できるのが難でしょうか。

登場人物誰もが行き着く先は破滅だと分っていながらも・・・言いかえれば、後味の良くは無い結末だと想像しながらも、続きが早く読みたいと思わせるのが著者の魅力だと思います。

本作で私が一番印象に残った一文は

(中略)
そのために百万もの大金を惜しげもなく払う。
救いが欲しい―連中はいう。金が万能のこの世の中で、心の安らぎを得るために救いが欲しいと。だが、その願いには注釈がつく。
救いが欲しい―できるだけ早く、できるだけお手軽に。
そんな具合に救いを手に入れることができるなら、この世に苦しみが溢れることもない。
連中はそんなことにも気が付かない。
要は、自分が幸せになりたいだけの話だ。
できるだけ早く、できるだけお手軽に。


・・・納得してしまいました。

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テーマ : 推理小説・ミステリー  ジャンル : 本・雑誌

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