荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

須川栄三監督 「野獣死すべし」 【2】

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

レンタルDVDで映画「野獣死すべし」を観る。

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大学院に籍を置く学生、伊達邦彦は戦争で心に傷を受けた世代の生き残り。

普段は物静かな秀才として平穏な日々を送っているが、それは表向きの顔にすぎない。

彼の心の奥底には暗い憎悪と怒りが渦巻き、影では射撃、スポーツ、特殊技術の習得にストイックに没頭していた。

この世で信頼するものは金と武器、そして力。

やがて彼は、心に巣食う闇と日頃培った能力を解き放つかのように、空前の完全犯罪を計画する。

最初の殺人、強盗を犯し、逃げおおせる伊達。

ただ己のみを信じ、何者をも拒むローンウルフ、伊達邦彦。

“野獣”は野に放たれ、物語は幕を開けた…。


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若くて目をギラギラさせた仲代達矢は、非情でサディスティックな主人公を好演していたと思います。

「伊達邦彦のイメージか?」と問われれば、私的にはちょっと違う気がしますが、その後の藤岡弘、松田優作、木村一八と比べると一番、原作に近いかもしれません(まぁ、それぞれ作品のアプローチが違うので当たり前ですが)。

自分の事を「ぼく」と呼ぶ青臭さと、躊躇なく人を殺す冷酷さが同居した若者の姿は原作通りですが、新聞記者に自分の犯罪論を語る場面や、大金で花売りの婆さんをいたぶったりする姿は、どこか底の浅い印象を受けました。

ハードボイルド作品は得てしてその心理描写をナレーションに託す事が多いのですが、本作はそれが無い分、このような脚本になったのかもしれません。

それと、ボクシングジムのシーン・・・・あれはどう言う演出ですかね・・・主人公は何をしていたのでしょうか、笑ってしまいました。

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原作が割とシンプルなストーリーなので、物語を膨らませようと刑事側のサブストーリーを加えたのでしょうが、期待したほど効果は無かったように思います。

特にベテラン刑事演じる東野英治郎が何かしてくれると思ったのですが、若い刑事の方がカンも行動力もあって、彼の最後の台詞は悔し紛れにとって付けて様でした。

逆に原作には無い、主人公が奪った現金を女にあげてしまう場面はとても良かったです。

小説のような爽快なラストではありませんでしたが、こちらはこちらで邦画の泥臭さを感じさせる和製ノワールに仕上がっていると思います。

結局、褒めているのか貶しているのか判らない文章になってしまいましたが、96分間飽きる事無く鑑賞出来た作品です。

通常は期待度と満足度は反比例するはずなのですが、本作に限っては「観れた!」と言う満足度が半端じゃ無いもので・・・

再度、じっくりと鑑賞したい映画です。

◆「野獣死すべし」 1959年/日本 【96分】
監督:須川栄三 原作:大藪春彦 脚本:白坂依志夫 撮影:小泉福造 音楽:黛敏郎 出演:仲代達矢/小泉博/団令子/白川由美/佐藤充/三好栄子/清水一郎/白坂依志夫/中村伸郎/東野英治郎
★★★★★★★・・・ 

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