荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

恩田陸著 「象と耳鳴り」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

恩田陸著 「象と耳鳴り」(祥伝社文庫/2003年刊)を読む。

20160423-012

「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」

退職判事関根多佳雄が博物館の帰りに立ち寄った喫茶店。

カウンターで見知らぬ上品な老婦人が語り始めたのは、少女時代に英国で遭遇した、象による奇怪な殺人事件だった。

だが婦人が去ったのち、多佳雄はその昔話の嘘を看破した。

蝶ネクタイの店主が呟く彼女の真実。

そしてこのささやかな挿話には、さらに意外な結末が待ち受けていた…。(表題作)

ねじれた記憶、謎の中の謎、目眩く仕掛け、そして意表を衝く論理!ミステリ界注目の才能が紡ぎだした傑作本格推理コレクション。

01'年版『このミステリがすごい!』の国内部門で第6位。

★★★★★★★・・・(7/10)

「puzzle[パズル]」「不安な童話」「六番目の小夜子」「ドミノ」「Q&A」「まひるの月を追いかけて」と著者の作品を読むのは7冊目・・・だと思います・・・

何分、「不安な童話」「六番目の小夜子」「ドミノ」あたりは面白かったはずなのに内様を全然覚えていないのでハッキリとは言えませんが。

私的には最初に読んだ「puzzle[パズル]」が一番面白かったです。



同じように本格ミステリの本作。

元判事が主人公の謎解きミステリ短編集で、「六番目の小夜子」にも登場しているらしいのですが・・・記憶にありません。

まぁ、そんな事は知らなくても楽しめる作品なのですが、私が上手いな~と思ったのは物語の曖昧さです。

フィクションの部分とリアルな部分の曖昧さ。

あっさりとして多くを語らないが、それが物足りなく感じない表現の曖昧さ。

ハッキリと答えを出さず、それでいて余韻を残す謎の部分の曖昧さ。

著者自身があとがきに書いていた「未熟」さが、もしかしたらこの魅力的な曖昧さを醸し出しているのかもしれません。

とても面白かったです。

不思議で不気味で清々しい本格推理。

主人公はもとより関根一家もなかなか魅力的なキャラなので・・・・続編を期待してしまいます。
 
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