荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

桐野夏生著 「緑の毒」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

桐野夏生著「緑の毒」(角川文庫/2014年刊)を読む。

01250818-3007

39歳の開業医・川辺。妻は勤務医。

一見満ち足りているが、その内面には浮気する妻への嫉妬と研究者や勤務医へのコンプレックスが充満し、水曜の夜ごと昏睡レイプを繰り返している。

一方、被害者女性たちは二次被害への恐怖から口を閉ざしていたがネットを通じて奇跡的に繋がり合い、川辺に迫っていく―。

底なしの邪心の蠢きと破壊された女性たちの痛みと闘いを描く衝撃作。

文庫オリジナルのエピローグを収録。

著者の作品を読むのは久しぶりです。

いわゆる社会派サスペンス作品ではありますが、著者特有の日常から堕ちていく人たちの心情が執拗に描かれている作品です。

トリックや謎解きはありませんし、はっきりとした結末もないのでこれから読む人はご注意を。

各章ごとに変わる登場人物のエピソードはそれだけでも1つの物語として面白く、読む側にその後の期待を持たせるのですが、あっさりと終わってしまうところが著者らしいと言えるでしょうか。

“文庫オリジナルのエピローグを収録”とあるので、連載当時はあの場面で物語が完結していたのですね・・・このエピローグがなければ、じれったいほどの物足りなさが残りそうです。

読む側としてはそれを伏線として盛り上がるクライマックスが欲しかった所ですが、逆にドロドロの復讐劇は著者の作風には似合わない気がしますので、それはそれで良かったのかな。

何が言いたかったかよりも、この飽きさせない嫌な気分が著者のエンタメ性なのだと思うので・・・また読んでしまうのでしょうね。

★★★★★★・・・・     
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