荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

桜木紫乃著 「凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

桜木紫乃著「凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂」 (小学館文庫/2012年刊) を読む。

20150906-0011

少女は、刑事にならねばならなかった。

1992年7月、北海道釧路市内の小学校に通う水谷貢という少年が行方不明になった。

両親、警察関係者、地元住民の捜索も実らず少年は帰ってこなかった。

最後に姿を目撃した同級生の杉村純少年によると、貢少年は湿原のほうへ向かっていったという。

それから17年、貢の姉・松崎比呂は刑事となって札幌から釧路の街に帰ってきた。

その直後、釧路湿原で他殺死体が発見される。

被害者は、会社員・鈴木洋介34歳。

彼は自身の青い目を隠すため、常にカラーコンタクトをしていた。

比呂は先輩刑事である片桐周平と鈴木洋介のルーツを辿るように捜査を進めてゆく。

事件には、混乱の時代を樺太、留萌、札幌で生き抜いた女の一生が、大きく関係していた。

『起終点駅(ターミナル)』で大ブレイク! いま最注目の著者唯一の長編ミステリーを完全改稿。

待望の文庫化!


てっきり文学の方だと思っていたら、こんな作品も出しているのですね。

ただ、このタイトルの付け方、テレビの2時間サスペンスのようで、「どんなもんだ?」と好奇心で購入し、正直、内容的には期待していませんでした。

殺人事件の背後にある、激動の時代を生きた人間の一生と現代が交差する人間模様と、ハードボイルドな主人公・女刑事の過去の傷と今の生きざまが描かれた重みのある社会派サスペンス。

タイトルより想像した、いわゆる「刑事モノ」とは一味違いますし、北海道と言う舞台設定を十分に生かした物語です。

謎やトリックなどは、犯人の動機も含め、若干弱い部分はありますが、本作(著者)にっとってはそこはさほど重要でな無いのかもしれません。

予想外だった事もあり

とても面白かったです。

私自身が釧路出身で父親が戦後の引揚者なのも作品を身近に楽しめた理由でしょう。

釧路の重く暗い空のように決して爽快なラストではありませんが、生きるせつなさと力強さを感じさせる作品でした。



やっぱり気になるのがこのシリーズ物っぽいタイトル。

確かに主人公のその後や隣人たち(特に男関係)は気になる所ですが、これはこれで完結とし、タイトルも「凍原」だけにしたら、個人的には“良い”と思うのですが・・・

20150830-501

★★★★★★★・・・    

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