荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

馳星周著 「光あれ」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

馳星周著「光あれ」(文春文庫/2014年第1刷)を読む。

20151107-003

相原徹は、生まれ故郷の敦賀―原発に税収と雇用を頼る街から出ることなく、子供時代を過ごし、仕事を得、家庭を持った。

未来を描けないこの街での窒息しそうな日々を、水商売の女や妻子の間で揺れ惑いながら生きる徹が、最後に見極めた人生とは。

地方都市で生きることの現実をあぶりだす、著者の新境地。


★★★★★★・・・・(6/10)  

著者お得意の落ちる暗黒小説を期待しましたがチト違いました。

また、「原発に頼らざるを得ない町」と言う設定や、小タイトルにもある「チェルノブイリ」から、反原発の思想で書かれた作品なのかな?とも思いましたがそれもまた別なようです。

本作は

閉塞感に押しつぶされそうな街で、やるせなさを抱きつつ生きる男の連作短編です。

そしてそれは、いつもの暴力や犯罪の話ではありませんが、今まで著者が描いてきた作品と同じく、醜く愚かでありながらも切ない「男」の物語です。

この気持ちは男にしか解らない感覚だと思いますし、多分、女性には向かない小説でしょう・・・性表現も露骨ですし。

主人公の迷走、絶望や哀しみ、どうしようもなさが滲み出た本篇や、救われない現実の中に微かな光が見えるような終わりは、まさに著者の新境地を感じさせる秀作だと感じました。

どうやら本作の発表が震災と重なり、原発問題の小説のように取り上げられている批評もあるようですが、そこは違うと感じましたし、そこを抜きにしても私はとても面白かったです。

20160127-002

本作の内容とは関係ないのですが

とある小説(上巻)を購入し面白かったので、近所のブック○フにて(下巻)を購入。

すぐさま読み始めたのですが、その本は(下巻)のカバーのかかった(上巻)でした。

お店に持って行って取り替えてもらおうとしましたが、(下巻)がなくて、代わりに貰ったのが本作です。

108円の旧作を新作に変えてもらったので得はしたのですが、自ら進んで購入した本では無かったので、最近まで本棚の隅に隠れていました。

皆さまも古本屋で本を買う時は確認を忘れずに。

私は2回目です。

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