荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

司城志朗著 「ロング・グッドバイ [東京編]」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

脚本・翻案:渡辺あや 司城志朗著 「ロング・グッドバイ [東京編]」(ハヤカワ文庫JA/2014年刊)を読む。

20151129-002

僕のことは忘れてください。

でもその前に、僕のためにギムレットを一杯注文してもらえないだろうか――

妻を殺したと告白して死んだ原田保からの手紙にはそう書かれていた。

彼の無実を信じ逃亡を助けた探偵には心残りのある結末だった。

だが別の依頼で保と同じ町内に住む作家の失踪を探るうちに、再び事件の渦中へと……

チャンドラーの名作を、戦後の東京を舞台に翻案し、非情な視線で男の友情を綴る、傑作ハードボイルド。


★★★★★★★・・・(7/10) 

「ギムレットには早すぎる」

「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」

「警官とさよならを言う方法はまだ発明されていない。」

などの名訳(清水俊二訳)で知られるレイモンド・チャンドラーの原作は学生時代に読んでいます。

内容よりも「ハードボイルド小説を読む」「フィリップ・マーロウを読む」って行為自体に憧れ、言ってみればカッコつけて無理やり読んだって所でしょうか。

そのためか、面白かった印象はありませんし、内容もほぼ憶えていません。

何よりチャンドラーの文体が面倒くさくて、その後に読んだ短編の方が好きでした。

本作を古本屋で見つけ

「あれ、村上春樹じゃない新・翻訳?えっ、東京編って?」

疑問に思いながら手に取ったら、著者は司城志朗。

おまけに表紙は浅野忠信。

20151214-002

どうやら以前にNHKで放送していた土曜ドラマ「ロング・グッドバイ」のノベライズ本で、レイモンド・チャンドラーの原作を渡辺あやが翻訳・脚本化、それを司城志朗が小説化したもので、分厚い原作が何とまぁスッキリと読み易いサイズになっています。

ドラマが面白かったので、コチラの方も期待して購入しました。

とても面白かったです。

忘れていた原作を所々で思い出しながら読むのも楽しかったですし、ドラマでは描かれなかった細かな部分も良かったです。

舞台だけではなく設定や名言など、和製に直した部分も感心しながら読了しました。

「これはマーロウではない!」と言うファンの方もいるとは思いますが、原作の読み辛さに苦労した私にはこっちの方が合っているかもしれません。

とは言えやはり面倒くさかっただけに原作と比べると物足りなさは残る所で、いずれ読もうと思っていた村上春樹翻訳の原作が今は欲しいですね。

う~ん、ですがその前に本棚には

先日買った矢作俊彦著の「THE WRONG GOODBYE―ロング・グッドバイ 」が偶然にもこのタイミングで待っているのです。

20151214-001

※私が若い頃、酒場で使っていたボトルネームは「ダルマス」でした。
これはレイモンド・チャンドラーの初期短編出て来た主人公で、後に長編で有名になった「フィリイプ・マーロウ」の原型と言われる探偵の名前です。
今思い出すと赤面してしまいますが、いっぱしのハードボイルドファンを気取っていた私は、いつかはマーロウのようにカッコ良く酒を飲めるような男になりたいとの想いをこめて「ダルマス」=「マーロウにはまだ早い」と言う意味で付けたのです。
ですが、マニアックな名前のため、周りからは「何でサントリーオールドじゃないのにダルマすなんだ?」と聞かれる事がたびたびあったのを憶えています。
あれから20年以上経っていますが未だにマーロウにもマロりーにもダルマスにもカーマディにもなれていない酒の飲み方をしているように思います。

 
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