荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

柳広司著 「パラダイス・ロスト」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

柳広司著「パラダイス・ロスト」(角川文庫/2013年刊)を読む。

20151225-001

大日本帝国陸軍内にスパイ養成組織“D機関”を作り上げ、異能の精鋭たちを統べる元締め、結城中佐。

その正体を暴こうとする男が現れた。

英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライス。結城の隠された生い立ちに迫るが…(「追跡」)

ハワイ沖の豪華客船を舞台にした初の中篇「暗号名ケルベロス」を含む全5篇。

世界各国、シリーズ最大のスケールで展開する、究極の頭脳戦!

「ジョーカー・ゲーム」シリーズ、待望の第3弾。

★★★★★★・・・・ 

「ジョーカー・ゲーム」シリーズの第3弾です。

2作目の「ダブル・ジョーカー」の読了記事で

「ラストで真珠湾攻撃が起こり今後太平洋戦争に突入、“D機関”スパイの存在意義が無くなってシリーズが完結してしまったのは残念ですが、人気だからと言ってダラダラシリーズを続けるよりは潔いと思います。」

と書いた手前、読むのが怖かった作品です。

本作は短編「帰還 」「失楽園(パラダイス・ロスト) 」「追跡 」と中編「 暗号名ケルベロス」を収録していますが・・・・話が開戦前に戻っています。

「な~んだ、そう言う事か」といささか拍子抜けしましたが、派手なアクションや難しい人間関係を省き、頭脳的なコンゲームのみで進むストーリーは相変わらずに面白いです。

ですが、何でしょう。

今回は前作ほどの満足感が薄いです。

今まで国内での話が多かったのに対し、本作はほぼ海外の物語だったのでどこか番外編の感があったのは確かですし、特に「追跡 」は読者が最も知りたいキャラの魅力だけで引っ張った外伝ですし・・・

おまけに、登場するスパイ達に人情味が感じられたのが個人的にはマイナス面でしょうか。

「人気だからと言ってダラダラシリーズを続ける」

とは感じませんでしたが、以前のような緊張感は薄れている気がします。

どうやら4作目も刊行済みらしいです。

本作を、言い換えればD機関を、いかに読者に納得させて解体させるかが今後著者に与えられたミッションではないでしょうか?

20151225-002

※まぁ、D機関の教示から言えば潔い死よりも生き残りなのでしょうが・・・(苦笑)。

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