荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

船戸与一著 「かくも短き眠り」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

船戸与一著「かくも短き眠り」(角川文庫/2000年)を読む。

20160405-003

夜空に吸い込まれる炸裂音、彷徨う血塗られた魂。

東欧、霧のトランシルバニアで「わたし」は男たちの呼び声を聞いた―。

ベルリンの壁の崩壊から5年。

「ドラキュラの息子たち」という殺戮集団。

「わたし」の過去を呼び醒ます、かつての同志たちの亡霊。

「わたし」に何を求めるのか?歴史に葬られた男たちの復讐と反逆が始まる…。

情念が冴える、船戸ハードボイルド読者圧倒の力作。


★★★★★★★・・・(7/10) 

昨年の著者の死去以来、また読もうと決めていた船戸作品。

3年前に「龍神町龍神十三番地」を読みましたが、やっぱり著者の作品は歴史的背景と民族文化が絡む第三世界のダイナミックなお話が似合います。

東欧の小国に繰り広げられる、嘗ての裏世界の男たちの戦いを描いた本作は、出だしより圧倒的な構成力で読む側をグイグイと引っ張ってくれます。

数十年前の「非合法員」を読んだ時の興奮が蘇りました。

残虐な場面は抑え気味でしたが、怒りと暴力と狂気を孕みながらも、悲しみとちょっとしたセンチメンタルの入り混じった物語はまさに著者の得意とする所。

個人的には、ストーリーが幾分ダイナミック過ぎたのと、主人公の恩師の造形にカリスマ性を感じられなかった所がマイナスポイントでしょうか。

ともあれ、最後まで飽きることなく一気に読めたのは確かです。

他の作品群と比べると少々評価は下がるとは思いますが

久々の船戸作品のリハビリとしては十二分に面白かったです!

20160406-005

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