荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

鯨統一郎著 「浦島太郎の真相―恐ろしい八つの昔話」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

鯨統一郎著「浦島太郎の真相―恐ろしい八つの昔話」(光文社/ カッパノベルス/2007年第1刷)を読む。

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ここは「森へ抜ける道」という名の日本酒バー。

常連の僕・工藤と山内、マスター・島の「ヤクドシトリオ」は、今夜も益体もない話に花を咲かせている。

私立探偵である僕が、どうしても謎が解けない殺人事件のことを話すと(というか、山内とマスターが勝手に話してしまうのだ)、同じく常連の美人大学院生・桜川東子さんは、上品にグラスを傾けながら、なぜか日本のお伽話になぞらえて鮮やかな推理を展開する―驚嘆、そして思わず納得。

「九つの殺人メルヘン」に続く、珠玉のバーミステリー。

★★★★★★・・・・(6/10)

「昔ばなし」を題材とした8編のミステリ短編集。

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舞台はバーのカウンターのみ、登場人物は全編同じ、情景や行動・心理の描写はほぼ無く、会話だけで物語は進みます。

展開も、中年オヤジの他愛もないお話から謎の解けない殺人事件の内容へと会話が続き、探偵役である美人大学院生が事件の概要を“昔ばなし”に重ねて謎を解決すると言うお決まりのパターンとなってます。

なので、読み易いと言えば読み易い小説なのですが・・・・初っ端から「つらい」と感じる人もいるのではないでしょうか。

それは・・・・1編20数ページほどの物語に対し、最初の10ページ近くが“中年オヤジの他愛もないお話”に費やされているからです。

昔の映画、スポーツ、テレビアニメ、時代劇や歌謡曲など、こちらも本作のテーマと同じくたしかに“昔話”なのですが、世代じゃなかったり興味のない人には内容がそこそこマニアックなだけに結構つらいと思います。

世代である私でも途中からウザくなって、飛ばしてしまいましたので・・・ちなみにココラ辺を飛ばし読みしても本筋には支障はありません。



残りの10数ページで語り継がれる「昔ばなし」の本当の意味と、殺人事件の謎解きが展開するのですが、これがページの少ないのも相まってか、とても薄い内容。

「昔ばなし」の解釈はなかなか読ませるのですが、それになぞった事件の解決は無理やりの様な気が・・・・

嫌いではありませんが

「懐かしい話のウンチク」「昔話の真実」「殺人事件のトリック崩し」と、ひと粒で三度おいしい作品のはずなのに、三度全部が軽くて食い足りなく、満足感はいま一つ。

前回「九つの殺人メルヘン」でも書いた言葉ですが

美味しいがさらりとして後味の残らない「上善如水」の様なミステリです。

20160411-001

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