荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

花村萬月著 「幸荘物語」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

花村萬月著「幸荘物語」(角川文庫/2002年第1刷)を読む。

20160415-002

築三十三年、六畳一間、家賃は三万三千円也。

吉祥寺幸荘には極貧ながらも明日を信じる若き芸術家たちが暮らしている。

小説家志望の吉岡は二十四歳にして童貞。

女性経験の無さからくる劣等感に苛まれ、悶々とした日々を過ごしている。

ある日、知人から佐和子さんという女性を紹介される。

どこか儚さを感じさせる彼女の美貌に、吉岡は一目惚れしてしまい…。

行き場の無い熱情と、空回りする自意識。誰もが通過してきたあのほろ苦き日々。

夢を信じ、走り続ける若者たちの熱き想いを綴った青春群像。


★★★★★★・・・・(6/10)

著者の作品と言えば「暴力」「性」「哲学」の三本柱ですが、本作は今までのようにそれらが個々に過激では無く、全体的に上手く円まった青春小説になっています。

「自意識過剰」の主人公も「セックス」には翻弄されますが「バイオレンス」には至らず、人の道を外す事無くハッピーエンドで終わりますので、ファンには多少の物足りなさは残りますが、逆に著者の余裕の様なものが感じられる作品です。

また、読む側がこんな経験をした事が無くとも、どこか懐かしい風景と青臭い(イカ臭い)登場人物たちに感情移入してしまう物語でもあります・・・女性は無理かな。

萬月作品としてはちょっと肩すかしを食いましたが、

萬月作品には珍しく爽やかな後味でした。

面白かったです。

ただ、主人公の考え方と言うか感性が自身に近い・・・言ってみれば古臭い為、著者の体験談の小説化と勝手に思い込み、舞台が古い時代だと想像していたため、途中で登場したファミレス、ワープロ、パソコン、携帯電話に驚きながら違和感を覚えました。

一体いつ頃の時代設定なのかな・・・と最後まで気になっていたのは確かです。

20160419-001

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