荒雑録

映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。

ベネット・ミラー監督 「カポーティ」

Posted by Tommy荒野 on   0 comments   0 trackback

録画した映画「カポーティ」を観る。

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1959年11月15日、カンザス州ののどかな田舎町で一家4人惨殺事件が発生する。

翌日、ニューヨークでこの事件を知った作家カポーティは、これを作品にしようと思い立ち、すぐさま現地へと取材に向かう。

同行した幼なじみのネルと共に事件現場や関係者を訪ねて回るカポーティ。

やがて2人の容疑者が逮捕されると、カポーティは彼らへの接近を試み、その一人ペリー・スミスの不思議な魅力に創作意欲を刺激される。

そして、ペリーとの面会を重ねる中で次第に彼の信頼を得ていくカポーティだったが…。


★★★★★★★★・・(8/10)

ノンフィクション・ノベルという新たなジャンルを切り拓いたと言われるトルーマン・カポーティの傑作「冷血」、その完成までの道のりを描き出した伝記ドラマです。

個人的には

「冷血」は高校生のころ読むのを途中で挫折した作品ですし、大学のころ読んだ「ティファニーで朝食を」は正直面白くなかった。

なので、作家としてはあまり興味ないのですが、映画「名探偵登場(1976)」に出演していたご本人の姿が印象的で、「有名な作家のくせにこんなバカ映画に出るとは面白い人だ」と、その人物像には興味がありました。

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カポーティの複雑な人物像を巧みに演じきったフィリップ・シーモア・ホフマンはその演技が絶賛され、アカデミー主演男優賞をはじめ数々の映画賞を獲得した作品だと言う事もあり録画していました。

楽しみにしながらもジックリと観る機会(時間)がなかったので今ごろになってしまいました。

最初に驚いたのは、わずかに記憶に残っている小説「冷血」の出だしの場面が、まるでそのままデジャヴのように映像化されていたトコロです。

この出だしより一気に引き込まれ、最後まで飽きる事無く鑑賞。

一家4人惨殺事件の詳細を本にすることで新たな成功を目論むカポーティと彼の取材に協力する犯人との屈折した関係が生々しく綴られる複雑で暗い作品ですが、噂通り主人公を演じたホフマンの演技が光る傑作です。

作中でのネルの一言「救いたくなかったのよ」がこの作品の核心なのでしょう。

晩年はアルコールと薬物中毒に苦しみ、テレビで不可解な発言を行うなど奇行が目立ち始め、執筆活動も『冷血』以降は長編を一度も書き上げることがなく公私共に没落していったと言う彼の行動も頷けました。

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◆「カポーティ:CAPOTE」 2005年/アメリカ 【114分】
監督:ベネット・ミラー 原作:ジェラルド・クラーク 脚本:ダン・ファターマン 撮影:アダム・メンキル 音楽:マイケル・ダナ 出演:フィリップ・シーモア・ホフマン/キャサリン・キーナー/クリフトン・コリンズ・Jr/クリス・クーパー/ブルース・グリーンウッド/ボブ・バラバン/エイミー・ライアン/マーク・ペルグリノ/アリー・ミケルソン

2005年アカデミー賞主演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)受賞
2005年全米批評家協会作品賞、主演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)受賞
2005年NY批評家協会新人監督賞(ベネット・ミラー)受賞
2005年LA批評家協会男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)助演女優賞(キャサリン・キーナー)脚本賞(ダン・ファターマン)受賞
2005年ゴールデン・グローブ賞男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)受賞
2005年英国アカデミー賞主演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)受賞
2005年インディペンデント・スピリット賞主演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)脚本賞(ダン・ファターマン)受賞
2005年放送映画批評家協会主演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)受賞

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