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ピエール・ルメートル著 「その女アレックス」

ピエール・ルメートル著 橘明美訳 「その女アレックス」 (文藝春秋/文春文庫/2014年9月2日刊)を読む。

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おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。

檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。

孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。

イギリス推理作家協会賞受賞作。

「週刊文春2014年ミステリーベスト10」堂々1位! 「ミステリが読みたい! 」「IN POCKET文庫翻訳ミステリー」でも1位。

早くも3冠を達成した一気読み必至の大逆転サスペンス。

貴方の予想はすべて裏切られる――。


★★★★★★★・・・(7/10)

先日観た映画「その女諜報員アレックス」の原作かな?

と思い手に取りましたが、背表紙の内容を読んだら全然違うようで・・・。

結局、「イギリス推理作家協会賞受賞作」の文字につられ購入しました。

読みやすく、すぐに4分の一ほど読みましたが、これがなかなか面白い。

拉致監禁事件が犯人死亡で被害者は発見されないまま終わってしまうのかと思われた矢先に

被害者である女性が逃亡し連続殺人犯に早変わり。

「いったいこの女は何をしてるんだ?!」

どうも映画の「その女諜報員アレックス」を引きずっているようで、はじめはアレックスの姿をあのきれいな女優さんに重ねていましたが・・・途中よりソレは無くなりましたね(笑)。

徐々にページをめくる手が早まり第2章までは一気読み。

う~ん、ここまでは良かったです。

で、謎解きである最終章。

これが・・・不快です。

チラリと出て来た「兄」が何らかの形で関わっているのは予想が付きましたが、そんなドストレートな展開だとは。

それまでの殺人シーンの残虐描写とはまた別の胸糞悪さですね。

そしてラスト。

物語の流れ的には“どんでん返し”では無いのですが、「なるほど、そう来たか」と思わせる最後です。

説明文の「大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕」とまでは行きませんが、面白かったのは確かです。

どうやら本作はこの刑事が主人公の3部作の2作目だそうです。

本作では妻を殺された過去を持つ刑事って設定でしたが、そこら辺が詳しく語られていないのは、その肝心な事件が前作に当たるのでしょうか?

これは・・・読んでみたいですね。

たぶんそちらも不快なお話しなんでしょうが・・・結局好きなのですね、胸糞悪くなるお話が。

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◆Pierre Lemaitre 「Alex」 (2011/FRA)

2012年リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞ミステリ部門受賞
2013年インターナショナル・ダガー賞受
「このミステリーがすごい!2015」海外部門第1位
「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第1位
「ミステリが読みたい!」海外編第1位
「IN★POCKET文庫翻訳ミステリー・ベスト10」第1位
本屋大賞翻訳小説部門第1位


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