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柴田哲孝著 「冬蛾」

柴田哲孝著「冬蛾 私立探偵・神山健介」を読む。



探偵業・神山健介に舞い込んだ不可解な依頼。

一年前に冬山で起きた村人の不審な死と、殺人の疑いをかけられ失踪した依頼者の夫。

真相を追って神山が足を踏み入れた七ツ尾村は、時空から取り残された人里だった。

この村は、どこかおかしい!?

村人は、狂っている!?

吹雪で閉じ込められた神山の前に、次々と明らかになる大量殺人事件。


★★★★★★・・・・(6/10)

読んでいなかった私立探偵・神山健介シリーズの第3弾です。

先に読んでしまった4作目「秋霧の街」の感想で

前2作は謎の部分に主人公過去や日本の歴史的な因縁が加わって、ハードボイルドでありながらおどろおどろした物語が私たちを引っ張ってくれたのですが、今回はそんなコトは無く、ロシアンマフィアと彼らが巣食う田舎町を舞台とした普通のサスペンス・アクションです。

と書きましたが、本作はその1作前なので以前に戻り

ハードボイルドでありながら、日本の歴史的背景に土地と人の因縁絡む陰惨な事件が加わって、おどろおどろした物語

となっております。

横溝正史氏の「八つ墓村」やそのモデルとなった「津山三十人殺し」を彷彿させる物語。

それを現在に持ってくるあたりは興味深い展開のですが、そのためちょっと無理が感じられる部分もチラホラと。

また村人の名前が次々に出てくるので、金田一探偵のように村の人物の相関図を書かなければ分り辛いかも。

まぁ、本作に限ってはソコを楽しむのも一興でしょう。

相変わらず本編には関係なくこだわりの描写=酒、たばこ、車等の描写は出てきます。

ここも読む側がニヤリとするか、興味のない方はスルーしましょう。

最後は派手な盛り上がりを見せ、ページをめくる手が早まるのですが、誰が誰やら分からない内に終了した感があります。

その時は後でちゃんと読み直そうと思ったのですが・・・・多分ないですね(笑)。

とりあえず面白かった。

これでタイトルの四季(渇いた夏、早春の化石、冬蛾、秋霧の街)が全部そろいましたね・・・次回からはどうするのでしょう?

前回は

正統派ハードボイルド×土地と人の因縁絡む陰惨な事件って言うミスマッチが本シリーズの魅力でしたので、それが無くなった今、以後続巻を読むかは微妙ですね。

書きましたが、今のところは続きを読んでみたいと思っております。

この感覚・・・B級映画を楽しむのに似ているかな。

悪口ではないので念のため。

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ジャンル : 本・雑誌

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