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高井忍著 「漂流巌流島」

高井忍著「漂流巌流島」(東京創元社/創元推理文庫/2010年刊)を読む。

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宮本武蔵は決闘に遅れなかった!?

赤穂浪士は浅野内匠頭が殿中刃傷に及んだ理由を知らなかった!?

近藤勇は池田屋事件を無理矢理起こしていた!?

鍵屋ノ辻の仇討ちは上手くことが運び過ぎた!?

人使いの荒い監督に強引に引きずり込まれ、チャンバラ映画のプロットだてを手伝う破目になった主人公。

居酒屋で額を寄せ合い、あーでもない、こーでもないと集めた史料を検討すると、巌流島の決闘や忠臣蔵の討ち入りなどよく知られる歴史的事件の目から鱗の真相が明らかに…。

第二回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む、挑戦的歴史ミステリ短編集。

「漂流巌流島」「亡霊忠臣蔵」「慟哭新選組」「彷徨鍵屋ノ辻」収録。


★★★★★★・・・・(6/10)

著者の作品は初めて読みます。

シナリオライターの主人公と時代劇の監督が、歴史の資料をああだこうだ言って、意外な真実にたどり着く歴史ミステリ。

個人的には同じ創元推理文庫の鯨統一郎氏の「邪馬台国はどこですか?」を思い出させました。

宮本武蔵、赤穂浪士、新選組と有名どころとちょっとマイナーな鍵屋の辻を扱った連作短編4編です。

さすがに表題作が一番意外でどんでん返しが大きいお話ですが、他の3編も新解釈に素直に納得できる良くできたお話で

とても面白かったです。

この手の歴史推理は難しいですよね。

私のような歴史をよく知らない読者にも、歴史マニアにも納得させなければいけません。

そのため読んでいる人に分かりやすくしながらも、お話の根拠を示さなければならない。

個人的にはその根拠の部分が長くて回りくどかったように感じてしまいましたが、私のように言葉面だけでも納得できる読者ばかりじゃないでしょうし。

各章の最後に付いていた注釈がそれを物語っているように感じました。

著者の今後の作品&本作の続編に期待します。

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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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