荒雑録
映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。
大藪春彦著 「野獣死すべし【渡米編】」
大藪春彦著 「OHS② 野獣死すべし 伊達邦彦誕生す」(徳間書店/1978年10月新装版初版)

あまりにも突然に、伊達邦彦は警官の額を射ち抜いた!
殺人には生命の昇華が、非情美がある……。
強烈なストイシズムを漂わせ、己れと金と武器のみを頼りとする若き邦彦。
彼は緻密に練った大学入学金強奪計画を実行にうつした!
―野獣ここに誕生す。
【収録作品】 野獣死すべし/野獣死すべし(渡米編)/拳銃のわかれ/銃は知っている

あまりにも突然に、伊達邦彦は警官の額を射ち抜いた!
殺人には生命の昇華が、非情美がある……。
強烈なストイシズムを漂わせ、己れと金と武器のみを頼りとする若き邦彦。
彼は緻密に練った大学入学金強奪計画を実行にうつした!
―野獣ここに誕生す。
【収録作品】 野獣死すべし/野獣死すべし(渡米編)/拳銃のわかれ/銃は知っている
若い頃、大藪氏にハマって角川文庫を読み漁ったのですが、やはり一番好きなのは著者のデビュー作の「野獣死すべし」。
その後に続く英国情報部のシリーズよりも「野獣死すべし」「野獣死すべし【復讐編】」「血の来訪者」までの一匹狼である伊達邦彦作品が好きでした。
そんな中、「野獣死すべし」と「野獣死すべし【復讐編】」の間に「野獣死すべし【渡米編】」と言うエピソードが存在すると知り、古本屋をずいぶん探しました。
で、やっと見つけたのが本作。
噂には聞いていた徳間書店の「大藪春彦活劇選集=OHS(OYABU HOT-NOVEL SERIES)」です。
当時探せた本の中では唯一【渡米編】が載っている一冊。
喜んで読んだのですが・・・
当時の私はまだアメリカのハードボイルド小説には疎くて・・・・登場人物も分からないし、内容も何か破天荒で・・・・正直、面白くないエピソードでした。
その後、本作がパロディ作品と聞き、それ切っ掛けでスピレイン、ハメット、チャンドラー、ロスマクと読むようになりました。
今となっては中身も分かり
本作の登場人物は主人公の伊達邦彦の他に
マイク・ハマーとヴェルダ(ミッキー・スピレインの「マイク・ハマー」シリーズの主人公と恋人)。
カーター・ブラウンの生み出した、超グラマーな女私立探偵メイヴィス・セドリッツと探偵事務所の共同経営者ジョニイ・リオ。
ロス・マクドナルドのリュー・アーチャーとイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウ。
最後はE・S・ガードナーの法廷弁護士が活躍する推理小説シリーズの主人公ペリー・メイスンと秘書のデラ・ストリートと相棒の探偵ポール・ドレイク。
途中、カーター・ブラウンの名前やハメットの「マルタの鷹」を彷彿させる名前が引用されていて・・・稀代の名探偵が大集合しても主人公には勝てないって言うオチ。
内容としてはやっぱりそれほど面白くはないのし、「野獣死すべし」や「野獣死すべし【復讐編】」とは毛色が違うので角川文庫には収録されていなかったのかもしれませんが、個人的には「やっと読めた(理解できた)小説」として思い出深いです。
1997年には光文社文庫より「伊達邦彦全集」が発刊されそこには掲載されていましたが、これはこれで捨てられない一冊です。
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その後に続く英国情報部のシリーズよりも「野獣死すべし」「野獣死すべし【復讐編】」「血の来訪者」までの一匹狼である伊達邦彦作品が好きでした。
そんな中、「野獣死すべし」と「野獣死すべし【復讐編】」の間に「野獣死すべし【渡米編】」と言うエピソードが存在すると知り、古本屋をずいぶん探しました。
で、やっと見つけたのが本作。
噂には聞いていた徳間書店の「大藪春彦活劇選集=OHS(OYABU HOT-NOVEL SERIES)」です。
当時探せた本の中では唯一【渡米編】が載っている一冊。
喜んで読んだのですが・・・
当時の私はまだアメリカのハードボイルド小説には疎くて・・・・登場人物も分からないし、内容も何か破天荒で・・・・正直、面白くないエピソードでした。
その後、本作がパロディ作品と聞き、それ切っ掛けでスピレイン、ハメット、チャンドラー、ロスマクと読むようになりました。
今となっては中身も分かり
本作の登場人物は主人公の伊達邦彦の他に
マイク・ハマーとヴェルダ(ミッキー・スピレインの「マイク・ハマー」シリーズの主人公と恋人)。
カーター・ブラウンの生み出した、超グラマーな女私立探偵メイヴィス・セドリッツと探偵事務所の共同経営者ジョニイ・リオ。
ロス・マクドナルドのリュー・アーチャーとイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウ。
最後はE・S・ガードナーの法廷弁護士が活躍する推理小説シリーズの主人公ペリー・メイスンと秘書のデラ・ストリートと相棒の探偵ポール・ドレイク。
途中、カーター・ブラウンの名前やハメットの「マルタの鷹」を彷彿させる名前が引用されていて・・・稀代の名探偵が大集合しても主人公には勝てないって言うオチ。
内容としてはやっぱりそれほど面白くはないのし、「野獣死すべし」や「野獣死すべし【復讐編】」とは毛色が違うので角川文庫には収録されていなかったのかもしれませんが、個人的には「やっと読めた(理解できた)小説」として思い出深いです。
1997年には光文社文庫より「伊達邦彦全集」が発刊されそこには掲載されていましたが、これはこれで捨てられない一冊です。
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コメント
§ はーどぼいるどだど
通りすがりでございます。大藪晴彦さんとは懐かしいです。
現在、軽い軽薄な小説がまかり通る世界にあっては、事実を
基に描いている大藪小説は隅に押しやられてしまうのかも
しれません。大藪作品でアウトドアに目覚め、いろいろな体験
をすると、小説の一行に仰天させられることが、分かるのが
魅力でもあります。
現在、軽い軽薄な小説がまかり通る世界にあっては、事実を
基に描いている大藪小説は隅に押しやられてしまうのかも
しれません。大藪作品でアウトドアに目覚め、いろいろな体験
をすると、小説の一行に仰天させられることが、分かるのが
魅力でもあります。
§
おそらく、ある年代の人にとっては大藪作品は男のバイブル的な存在になっているのだと思います。昔はこっ恥ずかしくてそんな事は言えませんでしたが、今となってはつくずくそう思います。
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