荒雑録
映画、小説、漫画他、個人的趣味の感想、記録。
大藪春彦著 「伊達邦彦」シリーズ 【物置整理035】
■「野獣死すべし」
(角川書店/角川文庫/1980年10月11版)
【同時収録】 「野獣死すべし 復讐篇」 解説:片岡義男

■「OHS② 野獣死すべし 伊達邦彦誕生す」
(徳間書店/1978年10月新装版初版)
【同時収録】「野獣死すべし(渡米編)」

■「血の来訪者 野獣死すべし第三部」
(新潮社/新潮文庫/1982年1月19刷)
解説:大坪直行

■「諜報局破壊班員 伊達邦彦 地球を駆ける」
(徳間書店/徳間文庫/1982年3月4刷)
「愛読者総代の辞」平井和正

■「日銀ダイヤ作戦」
(角川書店/角川文庫/1983年5月5版)
解説:志木由紀絵(ファッション評論家)

■「不屈の野獣 孤独のマンハンター伊達邦彦」 (角川書店/角川文庫/1982年1月11版)
【収録作品】「狂気の征服者」「謀略の果て」「スパイ狩り」 解説:鏡明

■「マンハッタン核作戦 蘇った伊達邦彦」
(角川書店/角川文庫/1982年3月6版)
解説:定本―これが、大藪春彦の読み方だ!永井豪

■「優雅なる野獣」
(角川書店/角川文庫/1979年)
【収録作品】「汚れた宝石」「C・I・Aの暗殺者を消せ」「みな殺しの銃弾」「連隊旗奪還作戦」「『紅軍派』大使拉致す」

■「非情の女豹」
(角川書店/角川文庫/1980年)
最終章「裏切り」に登場

■「野獣は甦える」
(光文社/カッパノベルス/1992年刊)

■「野獣は、死なず」
(光文社/カッパノベルス/1995年刊)

(角川書店/角川文庫/1980年10月11版)
【同時収録】 「野獣死すべし 復讐篇」 解説:片岡義男

■「OHS② 野獣死すべし 伊達邦彦誕生す」
(徳間書店/1978年10月新装版初版)
【同時収録】「野獣死すべし(渡米編)」

■「血の来訪者 野獣死すべし第三部」
(新潮社/新潮文庫/1982年1月19刷)
解説:大坪直行

■「諜報局破壊班員 伊達邦彦 地球を駆ける」
(徳間書店/徳間文庫/1982年3月4刷)
「愛読者総代の辞」平井和正

■「日銀ダイヤ作戦」
(角川書店/角川文庫/1983年5月5版)
解説:志木由紀絵(ファッション評論家)

■「不屈の野獣 孤独のマンハンター伊達邦彦」 (角川書店/角川文庫/1982年1月11版)
【収録作品】「狂気の征服者」「謀略の果て」「スパイ狩り」 解説:鏡明

■「マンハッタン核作戦 蘇った伊達邦彦」
(角川書店/角川文庫/1982年3月6版)
解説:定本―これが、大藪春彦の読み方だ!永井豪

■「優雅なる野獣」
(角川書店/角川文庫/1979年)
【収録作品】「汚れた宝石」「C・I・Aの暗殺者を消せ」「みな殺しの銃弾」「連隊旗奪還作戦」「『紅軍派』大使拉致す」

■「非情の女豹」
(角川書店/角川文庫/1980年)
最終章「裏切り」に登場

■「野獣は甦える」
(光文社/カッパノベルス/1992年刊)

■「野獣は、死なず」
(光文社/カッパノベルス/1995年刊)

伊達邦彦は大藪春彦氏の小説の主人公。
著者の処女作「野獣死すべし」に登場し、30年以上も描き続けられたピカレスク・ヒーローです。
馳星周氏、北方謙三氏、森村誠一氏など、伊達邦彦シリーズを読んで大藪のファンになったという作家は多いと聞きますが、私もその一人です。
角川映画で、松田優作主演の「野獣死すべし」が公開された頃、映画の結末の意味を知りたくて購入しましたが、映画と小説は内容も時代も全然違っていて、結局は映画にも小説にもハマってしまったクチです。
今では光文社文庫より「伊達邦彦シリーズ」として全話収録されていますが、私が買った当時は作品自体が古いので情報も少ないものですからシリーズが何話書かれているのかとか順番などは調べなければいけなかった・・・・渡米編なんてずっと後になってから知りました。
それでも集めたのはやはり主人公の魅力に他なりません。
小説の伊達邦彦は社会に暗い怒りを持った若者で、金の為、復讐の為、復讐の復讐の為に完全犯罪を繰り返します。
第1作の「野獣死すべし」から「野獣死すべし 復讐編」、「血の来訪者」までは反逆精神と破壊欲のエネルギーを爆発させる一匹狼でした。
しかし、その後に海外に逃亡し、英国情報部に入ったり、フリーランスの工作員になったり、アメリカ国家安全保障局の犬になったりして、最終的には伊達邦彦王国の建立を目指すパラノイアになってしまい・・・・正直、スケールがデカくなる分、あの初期の頃のエネルギーが薄れ、コチラが段々と冷めてしまったのは確か。
著者がどうやったら主人公を昔に戻せるかを模索した「野獣は甦える」や「野獣は、死なず」はその意気込みは買いますが、それでもやはり無理だった気がしました。
個人的には「血の来訪者」で本シリーズは終わってほしかった気持ちはありますが、それは続編が描かれた今だから言えることで・・・こちらとしても文句を言いながらも、読み続けていた読者の責任でもあります。
もう、本シリーズの続きは書かれる事はありません。
なので、「野獣は、死なず」のラストで見せる、野望は達成せず孤独で虚しい40代の主人公の姿がシリーズのラストとなります。
昔読んだときは、なんか物足りない印象でしたが、今となっては、このラストこそ本シリーズの真の締めくくりにふさわしい気もします。
永遠に未完。
それが伊達邦彦には似合うと思います。
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著者の処女作「野獣死すべし」に登場し、30年以上も描き続けられたピカレスク・ヒーローです。
馳星周氏、北方謙三氏、森村誠一氏など、伊達邦彦シリーズを読んで大藪のファンになったという作家は多いと聞きますが、私もその一人です。
角川映画で、松田優作主演の「野獣死すべし」が公開された頃、映画の結末の意味を知りたくて購入しましたが、映画と小説は内容も時代も全然違っていて、結局は映画にも小説にもハマってしまったクチです。
今では光文社文庫より「伊達邦彦シリーズ」として全話収録されていますが、私が買った当時は作品自体が古いので情報も少ないものですからシリーズが何話書かれているのかとか順番などは調べなければいけなかった・・・・渡米編なんてずっと後になってから知りました。
それでも集めたのはやはり主人公の魅力に他なりません。
小説の伊達邦彦は社会に暗い怒りを持った若者で、金の為、復讐の為、復讐の復讐の為に完全犯罪を繰り返します。
第1作の「野獣死すべし」から「野獣死すべし 復讐編」、「血の来訪者」までは反逆精神と破壊欲のエネルギーを爆発させる一匹狼でした。
しかし、その後に海外に逃亡し、英国情報部に入ったり、フリーランスの工作員になったり、アメリカ国家安全保障局の犬になったりして、最終的には伊達邦彦王国の建立を目指すパラノイアになってしまい・・・・正直、スケールがデカくなる分、あの初期の頃のエネルギーが薄れ、コチラが段々と冷めてしまったのは確か。
著者がどうやったら主人公を昔に戻せるかを模索した「野獣は甦える」や「野獣は、死なず」はその意気込みは買いますが、それでもやはり無理だった気がしました。
個人的には「血の来訪者」で本シリーズは終わってほしかった気持ちはありますが、それは続編が描かれた今だから言えることで・・・こちらとしても文句を言いながらも、読み続けていた読者の責任でもあります。
もう、本シリーズの続きは書かれる事はありません。
なので、「野獣は、死なず」のラストで見せる、野望は達成せず孤独で虚しい40代の主人公の姿がシリーズのラストとなります。
昔読んだときは、なんか物足りない印象でしたが、今となっては、このラストこそ本シリーズの真の締めくくりにふさわしい気もします。
永遠に未完。
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