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霧島兵庫著 「信長を生んだ男」

霧島兵庫著「信長を生んだ男」(新潮文庫/2017年9月初版)を読む。

20220806 (1)

うつけと蔑む兄・織田信長に、英邁な弟・信行は覇者の資質を見た。
それは兵法書と龍笛を好み、常識の範疇に生きる信行には持ちえないもの。
すなわち自らの力を恃んで天下を統一しようとする炎の如き意志――。
しかし、そこに潜むひと筋の弱さを見出した時、己の熾火をかきたてるように、信行は身命を賭した大勝負に出る。
解説:大矢博子(書評家)


★★★★★★★★・・(8/10)

2022080602 (3)

著者の作品を読むのは初めて。

信長譚は多々あれど、今までの織田信長のお話で言えば

本作の主人公の織田信行って、兄・信長と反目し、謀反を起こし、最後は信長に殺される

言ってみれば、信長の凄さ、非情さの引き立て役ぐらいにしか登場しなかった人物だと思います。

また、信長の正室・濃姫と言えば

斉藤道三=まむしの娘という事で結婚前後のエピソードは多いものの、史実ではいつのまにか消えてしまった人物。

その信行、濃姫、信長の関係を中心として

まさかのこんなお話が出来るとは!

歴史的な検証なんてどうでもいい。

こりゃ面白いお話です。

正直、前半は多少の退屈さを憶え

「こりゃ失敗だったかな」

とも思いましたが

中盤から後半にかけて、ページをめくる手が段々と早くなり、最後は寝る前に一気読みでした。

ネタバレになるので詳しくは言えませんが

“優しい信長”って、今までには絶対出てこなかった人物像だと思います。

全然関係ありませんが、主人公の信行がマイケル・コルレオーネと重なり、とてもカッコよく思えた作品でした。

これは他人にもお勧めできる時代小説だと思います。

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テーマ : 歴史小説
ジャンル : 小説・文学

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