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伊藤瑞彦著 「赤いオーロラの街で」

伊藤瑞彦著「赤いオーロラの街で」(ハヤカワ文庫JA/2017年12月刊)を読む。

rupannpann (3)

東京で仕事に倦んだプログラマー香山秀行は、テレワークの体験で北海道・知床の斜里町を訪れる。

その夜、空一面に赤いオーロラが発生。街中が停電に見舞われた。

それは超巨大な太陽フレアによるもので、全世界の通信・交通網もすべてストップ。

完全な復旧には少なくとも数年かかるという――親切にしてくれた北海道の人々のために、自分に何ができるのか?世界停電という現実に起こりうる危機をめぐる、人と社会の物語。

解説:柴田一成(宇宙物理学者)

★★★★★★★・・・(7/10)

著者の作品を読むのは初めて。

舞台が北海道、しかも大停電と言う2018年を思い出す設定に惹かれ購入しました。

プラスして最初に出てくる「テレワーク施設の誘致」と言うキーワードより、結構最近の小説かなと思っていましたら、2017年の発刊でした。

北海道の大停電も、コロナのテレワーク拡大よりも前に書かれた作品で・・・ちょっと驚きましたね。

一見、本当にこんな事態が起こった時に人はどうするのだろうと言うシミュレーション小説のようですが、視点が一人称なので世界規模で起こったこの大惨事を描く事はなく、描写が自分とその周り(おもに北海道)にとどめている所が、どこか楽観的な感じがします・・・まぁ、電気が麻痺しているのですから主人公もその他の日本人も他国がどうなっているのか知るすべはないのですが。

ですので、パニックやシミュレーションとして読むのではなく、災害にあった田舎の町の再生と1人の若者の新たな旅立ち、それを助ける仲間たちのお話として読んだ方がいいかも。

化学的な根拠や説明はありますが、お話は淡々と進み、悲惨な場面はなく、どこかホッコリしてしまう。

終わりのシーンで主人公が雪に閉ざされて立ち往生する車の中で助けを求める場面は有名なTVドラマを思い出しました・・・「SF版 北の●から」?

とは言え、あとがきを読むと、作中の大停電の原因となる太陽フレアは、SFではなく現実にも起こりえる自然現象だそうでいつ起こっても不思議はないそうです。

勉強になった反面、恐ろしくもあり、だからと言ってどう対処すればいいのか想像もつきません。

2018年の時はいろいろと防災グッズを買いましたが、個人としてはそれを続けるしかないのかな。

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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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