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馳星周著 「9・11倶楽部」

馳星周著「9・11倶楽部」 (文春文庫/2011年6月第1刷) を読む。

20220828 (6)

救急救命士の織田は、路上で倒れていた少女・笑加(えみか)を助けるが、彼女は10代前半の少年たちと暮らしていた。
実は彼らは、都知事による新宿浄化作戦で両親を中国に強制送還された、戸籍のない子供たちだった。
事情を知った織田は、理不尽な現実と社会に復讐するため、彼らとともに無謀な行動を起こし始める
解説:千街晶之


★★★★★★★・・・(7/10)

地下鉄サリン事件より11年と言っていますので、舞台は2006年頃。

北海道で暮らす私にはピンときませんが、風俗店や暴力団を対象に一斉取り締り「歌舞伎町浄化作戦」が行われたのが2003年頃からと聞きますので、そこから3年後ぐらいのお話ですかね。

主人公は地下鉄サリン事件で妻と子を失った救急救命士。

彼が守ろうとするのは新宿浄化作戦で親を強制送還された戸籍のない子供たち。

人格者であった主人公が、彼らのために自ら闇社会に堕ち、犯罪に手を染めていく。

その理由は自分自身のエゴであり、他の誰からも理解されず、行きつくところは破滅であっても、突き進んでいく過程が面白い。

そして、その中で少しずつ心を開く少年たちとの描写には僅かながらの希望を感じさせてくれます。

が、

著者がそんなお涙頂戴のハードボイルドを描くわけはなく。

前半では関係ない様に思われたタイトルの「9・11」の意味が分かった時、読者の心の中には主人公や少年たちの行動に手放しで賛同できなくなる自分がいるでしょう。

テロで家族を失った主人公が少年たちのテロを手伝う。

もう、そこには道徳や法では語れない、世間に対しての怒りと少年たちの絆があります。

最終的には子ども達を止めるべきだとの意見もあるでしょうが、本作品ではこれが正しく美しいラストだと思います。

・・・・あくまでフィクションのお話なので。

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ジャンル : 小説・文学

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