荒雑録
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ダシール・ハメット著 「フェアウェルの殺人―ハメット短編全集 (1)」
ダシール・ハメット著 稲葉明雄訳 「フェアウェルの殺人―ハメット短編全集 (1)」 (創元推理文庫/1985年11月第15刷)を読む。

ヘミングウェイを初めとする〈失われた世代)〉の作家たちに触発されて、1920年代の推理小説界に忽然と登場したハメットは、俗にハードボイルドといわれる作風を確立して推理小説に革命的な変革をもたらした。
名探偵コンチネンタル・オブの地方での事件を扱った短編を中心に、黒づくめの女、うろつくシャム人、新任保安官、王様稼業等、7編を収録。
【収録作品】
「フェアウェルの殺人」「黒づくめの女」「うろつくシャム人」「新任保安官」「放火罪および・・・・・」「夜の銃声」「王様稼業」
【訳者あとがき】 稲葉明雄
定価480円
★★★★★★★★・・(8/10)

ヘミングウェイを初めとする〈失われた世代)〉の作家たちに触発されて、1920年代の推理小説界に忽然と登場したハメットは、俗にハードボイルドといわれる作風を確立して推理小説に革命的な変革をもたらした。
名探偵コンチネンタル・オブの地方での事件を扱った短編を中心に、黒づくめの女、うろつくシャム人、新任保安官、王様稼業等、7編を収録。
【収録作品】
「フェアウェルの殺人」「黒づくめの女」「うろつくシャム人」「新任保安官」「放火罪および・・・・・」「夜の銃声」「王様稼業」
【訳者あとがき】 稲葉明雄
定価480円
★★★★★★★★・・(8/10)
ダシール・ハメットは、アメリカのミステリ作家で推理小説の世界にいわゆるハードボイルドスタイルを確立した代表的な人物です。
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代表作に「血の収穫」「マルタの鷹」「血の収穫」「影なき男」などがあります。
ハメットは最高の推理作家の1人とされており、「ニューヨーク・タイムズ」の死亡記事では「ハードボイルド派探偵小説界の長老」と評され、「タイム」誌では1923年から2005年までの英語の小説ベスト100に『血の収穫』を選んでいます。
彼の名前を冠した国際推理小説賞もあり、私が近年読んだ北欧の小説「ミレニアム」や「特捜部Q」などもハメットの作品タイトルにちなんだ北欧の最優秀作品賞「ガラスの鍵賞」を受賞した作品です。
彼が創造した有名な(架空の)私立探偵「コンチネンタル・オプ」は名前ではなく、“コンチネンタル探偵社のオペラティヴ(探偵)”の略であり、本名・素性・経歴等は明らかにされていませんが、彼がアメリカ屈指の探偵会社であるピンカートン探偵社で働いていた時の上司がモデルと言われています。
ちなみに今でも探偵小説で、探偵の事を「ディテクティヴ」ではなく「オプ」と呼ぶことが多いのは著者の影響と考えられます。
本書はハメット作品の内、コンチネンタル・オプの登場する作品を中心とした短編集です。
大学時代にハードボイルドに陶酔した頃・・・なので30年近く昔に購入した本です。
物語としても100年近く古い作品であり、しかもハードボイルドの筆致なので、今読んで「あっ!」と驚く意外などんでん返しや目新しさはありません。
おまけに(今読むと)コンプライアンスに触れるような差別語も結構ありますね。
特にハメットは簡潔で客観的行動描写で主人公の内面を表現した作品なので、事件よりも “主人公の台詞や行動を楽しむ” のが正しい読み方だと思います。
うん十年ぶりに読み返しましたが、やっぱり私は大好きですね。
ただ・・・年をくったせいもあるのでしょうが、斬新さやインパクトに欠けるせいか、読み終わったら半分以上はうろ覚え。
偉そうに「好き」とか言っといて(笑)・・・読み終わるまでにも結構時間がかかっているし。
続けて「ハメット傑作集2 - スペイドという男」も読み返そうと思っていますが、読み終わるのはいつになる事か。

※ちなみに本書の表紙はハンフリー・ボガード主演の「脅迫者 (1951)」をリライトしたイラストですね。
こちらの映画は、ハメットとも関係なく、ボガードも探偵ではないのですが、「マルタの鷹(1941)」でのボガード=サム・スペイドのイメージが強いからですかね。
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代表作に「血の収穫」「マルタの鷹」「血の収穫」「影なき男」などがあります。
ハメットは最高の推理作家の1人とされており、「ニューヨーク・タイムズ」の死亡記事では「ハードボイルド派探偵小説界の長老」と評され、「タイム」誌では1923年から2005年までの英語の小説ベスト100に『血の収穫』を選んでいます。
彼の名前を冠した国際推理小説賞もあり、私が近年読んだ北欧の小説「ミレニアム」や「特捜部Q」などもハメットの作品タイトルにちなんだ北欧の最優秀作品賞「ガラスの鍵賞」を受賞した作品です。
彼が創造した有名な(架空の)私立探偵「コンチネンタル・オプ」は名前ではなく、“コンチネンタル探偵社のオペラティヴ(探偵)”の略であり、本名・素性・経歴等は明らかにされていませんが、彼がアメリカ屈指の探偵会社であるピンカートン探偵社で働いていた時の上司がモデルと言われています。
ちなみに今でも探偵小説で、探偵の事を「ディテクティヴ」ではなく「オプ」と呼ぶことが多いのは著者の影響と考えられます。
本書はハメット作品の内、コンチネンタル・オプの登場する作品を中心とした短編集です。
大学時代にハードボイルドに陶酔した頃・・・なので30年近く昔に購入した本です。
物語としても100年近く古い作品であり、しかもハードボイルドの筆致なので、今読んで「あっ!」と驚く意外などんでん返しや目新しさはありません。
おまけに(今読むと)コンプライアンスに触れるような差別語も結構ありますね。
特にハメットは簡潔で客観的行動描写で主人公の内面を表現した作品なので、事件よりも “主人公の台詞や行動を楽しむ” のが正しい読み方だと思います。
うん十年ぶりに読み返しましたが、やっぱり私は大好きですね。
ただ・・・年をくったせいもあるのでしょうが、斬新さやインパクトに欠けるせいか、読み終わったら半分以上はうろ覚え。
偉そうに「好き」とか言っといて(笑)・・・読み終わるまでにも結構時間がかかっているし。
続けて「ハメット傑作集2 - スペイドという男」も読み返そうと思っていますが、読み終わるのはいつになる事か。

※ちなみに本書の表紙はハンフリー・ボガード主演の「脅迫者 (1951)」をリライトしたイラストですね。
こちらの映画は、ハメットとも関係なく、ボガードも探偵ではないのですが、「マルタの鷹(1941)」でのボガード=サム・スペイドのイメージが強いからですかね。
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