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戸南浩平著「サムライ・シェリフ」

戸南浩平著「サムライ・シェリフ」(ハヤカワ文庫JA/2021年6月発行)を読む。

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明治11年、女子供まで容赦なく殺害する凶悪な拳銃使いジャック・モーガンが、米国から日本へと逃亡してきたらしい。
同心から横浜の刑事へと転身した三崎蓮十郎は、夫を殺害されたエレナ・マイルズと息子チャーリーの要請でモーガンの行方を探ることになる。
しかしその背後には、三崎の亡き父・源兵衛が追い求めていた因縁の猟奇殺人犯、羅刹鬼の影があった。
横浜の地にモーガンを追う三崎が辿り着いた、驚くべき真実とは?

定価(本体900円+税)


【点数】 ★★★★★★・・・・(6/10)

【感想・コメント】

古本屋でタイトルを見て購入。

著者の本を読むのは初めてです。

ガンマンVSサムライってお話は(実際には無かったようですが)映画や小説でも大好物なので期待して読み始めました。

※「レッド・サン」「EAST MEETS WEST」「アリゾナ無宿」「必殺仕事人意外伝?」等

タイトルより舞台はアメリカで、武士(サムライ)が保安官(シェリフ)になるお話と勝手に想像していましたが

舞台は明治の日本で、アメリカから逃亡して来た凶悪なガンマンを日本の刑事が捕まえるってお話でした。

主人公は隠れた犯人を挑発する為、テンガロンハットにガンベルト、シェルフのバッジを付けて町を捜査するが、得意の仕込み刀で敵と戦う。

テンポは良いですし、アクションも上々。

主人公や犯人の因縁めいた過去。

清々しいラスト。

面白かったのですが、

正直、物足りない。


考えられるのは

著者の書き込みでしょうか。

読んでいてまず感じたのが

何か、映像的に風景が見えてこないんですよね。

舞台は明治11年の横浜なのですが、文明開化で外国人も入ってきている中で西洋化してきた横浜の建物や街並み。

一歩中に入ったら江戸時代の風景を残しているだろう裏町。

読んでいる最中、そんな絵が思い描けない。

無理矢理に映画「るろうに剣心」の風景を思い出しながら読みました。

そう考えると確かに

脇役の登場人物たちもどこか薄く感じてしまう。

特にラストのラスボス。

意外な人物でありながらも、根本的にはステレオタイプの悪党。

内容的には深い因縁なのに、結構あっさり語られている気がしました。

個人的には

本作はもしかしたらいろいろ枝葉を付けて映像化すれば、とても面白い作品になるのでは・・・・

そう思った小説です。

とはいえなかなか面白かったので第20回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞したと言う著者の「木足の猿」を読もうと思いましたが・・・・・・

どうやらこちらも明治初期が舞台のお話し。

う~ん、どうしましょう。

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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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